专利摘要:
本発明は、チアゾールおよびオキサゾール化合物、それを含む組成物、ならびにその調製方法および医薬品としてのそれらの使用方法を提供する。
公开号:JP2011506454A
申请号:JP2010538058
申请日:2008-12-04
公开日:2011-03-03
发明作者:アジャベン,ジョージ;ウォーターソン,アレックス,グレゴリー;ディッカーソン,スコット,ハワード;デイビス−ワード,ロンダ;ビフルコ,ニール;ペトロフ,キンバリー;ホーンバーガー,キース;ユーリング,デヴィッド,エドワード;レアウルト,タラ,レナエ
申请人:グラクソスミスクライン エルエルシー;
IPC主号:C07D413-04
专利说明:

[0001] 本発明は、チアゾールおよびオキサゾール化合物、それを含む組成物、およびその調製方法、ならびにそのような化合物および組成物の使用法に関する。]
背景技術

[0002] 受容体チロシンキナーゼおよびセリン/トレオニンキナーゼは、細胞シグナル経路に関係付けられてきた。この経路は、タンパク質内で、それぞれ、チロシンまたはセリンおよびトレオニン残基のヒドロキシル基の可逆的リン酸化を通じて細胞機能、分割、増殖、分化、および死(アポトーシス)を制御する。シグナル伝達では、例えば、細胞外シグナルは、膜受容体が活性化することによって伝達され、無制御なシグナル伝達を回避するために、タンパク質のリン酸化カスケード、およびタンパク質の脱リン酸化事象の複雑な演出(choreography)を使用し増幅し伝播する。これらのシグナル経路は、複雑で、かつかみ合ったキナーゼ経路によって高度に調節されていることが多く、その経路では、各キナーゼは、それ自体、1個もしくは複数の他のキナーゼおよびタンパク質ホスファターゼにより調節されているであろう。これらの精密に調整されたシステムの生物学的重要性は、様々な細胞増殖性疾患と、チロシンまたはセリン/トレオニンキナーゼが介在する様々な細胞シグナル経路の1個もしくは複数にある欠陥とが関連付けられてきたことである。]
[0003] 受容体チロシンキナーゼ(RTK)は、それ自体を含む、様々なタンパク質中のある種のチロシルアミノ酸残基のリン酸化を触媒し、それによって細胞の成長、増殖、および分化を支配する。RTKのErbBファミリーには、EGFR、ErbB2、ErbB3、およびErbB4が含まれる。ErbBファミリーキナーゼの異常な活性は、乾癬、リューマチ性関節炎、気管支炎、および数種の癌を含む一連の過剰増殖性疾患に関係付けられてきた。ErbBファミリーのRTKの生物学的役割、および異なる疾患状態でのその関わりは、例えば、(非特許文献1)、(非特許文献2)、(非特許文献3)、(非特許文献4)、(非特許文献5)、および(非特許文献6)で考察されている。特に、高いEGFR活性は、非小細胞肺癌、扁平細胞肺癌、乳癌、膀胱癌、頭頸部扁平細胞癌、食道癌、胃癌、結腸直腸癌、膵癌、甲状腺癌、グリア癌、頚部癌、および卵巣癌[(非特許文献3)、(非特許文献4)、(非特許文献5)、(非特許文献6)]および肝細胞癌[(非特許文献7)および(非特許文献8)]に関与してきた。さらに、ErbB2の過剰発現および/または変異は、以下の疾患に関係付けられてきた:
バレット腺癌(非特許文献9)、
膀胱癌(非特許文献10)、
乳癌(非特許文献11)、
神経膠芽腫、星細胞腫、上衣細胞腫および多形神経膠芽腫などの原発性CNS腫瘍[(非特許文献12)、(非特許文献13)、および(非特許文献14)]、ならびに二次的CNS腫瘍(すなわち、中枢神経系外側に生じた腫瘍の中枢神経系への転移)を含む中枢神経系腫瘍、
食道癌、胃食道、および唾液腺粘表皮癌を含む胃癌[(非特許文献15)、(非特許文献16)、(非特許文献17)、および(非特許文献18)]、
頭頸部の扁平上皮癌を含む頭頸部癌(非特許文献19)、
小細胞肺癌(非特許文献20)および非小細胞肺癌(非特許文献21)を含む肺癌(非特許文献22)、
黒色腫(非特許文献23)、
卵巣癌(非特許文献24)および子宮体癌[(非特許文献25)および(非特許文献26)]、
膵内分泌腫瘍(非特許文献27)、
腎臓癌(非特許文献28)および(非特許文献29))、および
子宮肉腫[(非特許文献30)、および(非特許文献31)]を含む子宮癌。]
[0004] 癌でのErbBファミリーキナーゼの役割に関連する事象の時刻表(timeline)は、(非特許文献32)に見い出されよう。これらの癌でErbBファミリーキナーゼが果たす役割、およびクリニックでのこれらのキナーゼ阻害薬の相対的な成果によって、一種もしくは複数のErbBファミリーキナーゼの阻害薬が、そのような癌の治療に有用であろうことは広く認められている。]
[0005] EGFRおよびErbB2を含む数種のRTKの下流には、数個のシグナル経路、中でもRas−Raf−MEK−ERKキナーゼ経路がある。現在、増殖因子、ホルモン、サイトカインなどに応答したRasGTP加水分解酵素タンパク質もしくは他の上流キナーゼ活性化によって、Rafキナーゼのリン酸化および活性化が刺激を受けることが分かっている。次いで、これらのキナーゼが、細胞内タンパク質キナーゼMEK1およびMEK2をリン酸化し活性化し、それにより、他のタンパク質キナーゼERK1およびERK2が順次リン酸化し活性化される。分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)経路または細胞質カスケードとしても知られるこのシグナル経路は、増殖シグナルに対する細胞応答を媒介する。その究極の機能は、細胞膜での受容体活性と、細胞増殖、分化、および生存を支配する、他の膜結合の細胞質標的または核標的の変化とをつなぐことである。MAPK経路を持続的かつ構成的に活性化し、最終的には細胞分裂および生存を増加させうる様々なRas GTP加水分解酵素とB−Rafキナーゼの変異が同定されている。この結果として、これらの変異は、広範囲のヒト癌の樹立、発生、および進行に強く結び付けられてきた。シグナル伝達におけるRafキナーゼ、特にB−RafのRafキナーゼの生物学的役割は、(非特許文献33)、(非特許文献34)、(非特許文献35)、(非特許文献36)、(非特許文献37)、および(非特許文献38)に記載されている。]
[0006] MAPK経路シグナル伝達を活性化するB−Rafキナーゼの自然発生変異は、ヒト黒色腫(非特許文献33)および甲状腺癌[(非特許文献39)および(非特許文献40)]で高い割合で見つかり、以下の疾患でも低いが依然として顕著な頻度で見つかっている。]
[0007] バレット腺癌[(非特許文献41)および(非特許文献42)]、
胆道癌(非特許文献43)、
乳癌(非特許文献33)、
子宮頚癌(非特許文献44)、
胆管癌(非特許文献45)、
神経膠芽腫、星細胞腫および上衣細胞腫[(非特許文献46)、(非特許文献33)、および(非特許文献41)]などの原発性CNS腫瘍;ならびに二次的CNS腫瘍(すなわち、中枢神経系外側に生じた腫瘍の中枢神経系への転移)を含む中枢神経系腫瘍、
大腸癌を含む直腸結腸癌[(非特許文献47)、(非特許文献33)および(非特許文献48)]、
胃癌(非特許文献49)、
頭頸部の扁平上皮癌を含む頭頸部癌[(非特許文献50)および(非特許文献51)]、
白血病(非特許文献41)、特に急性リンパ性白血病[(非特許文献41)および(非特許文献52)]、急性骨髄性白血病(AML)[(非特許文献53)、および(非特許文献54)]、骨髄異形成症候群(非特許文献54)および慢性骨髄性白血病(非特許文献55);ホジキンリンパ腫(非特許文献56)、非ホジキンリンパ腫(非特許文献57)、巨核芽球白血病(非特許文献58)および多発性骨髄腫を含む血液癌(非特許文献59)、
肝細胞癌(非特許文献41)、
小細胞肺癌(非特許文献60)および非小細胞肺癌(非特許文献33)を含む肺癌[(非特許文献61)、(非特許文献50)および(非特許文献33)]、
卵巣癌[(非特許文献62)および(非特許文献33)]、子宮体癌[(非特許文献41)、および(非特許文献44)]、
膵癌(非特許文献63)、
下垂体腺腫(非特許文献64)、
前立腺癌(非特許文献65)、
腎臓癌(非特許文献66)、
肉腫(非特許文献33)、および
皮膚癌[(非特許文献67)および(非特許文献33)]。]
[0008] c−Rafの過剰発現は、AML[(非特許文献68)、および(非特許文献69)]および赤白血病(非特許文献70)に結び付けられてきた。]
[0009] これらの癌でのRafファミリーキナーゼが果たす役割、およびB−Rafキナーゼ活性の阻害を特異的に標的とする薬剤(非特許文献71)を含め、一連の前臨床剤および治療剤を用いての探索的研究により、一般に、一種もしくは複数のRafファミリーキナーゼの阻害薬が、そのような癌の治療に有用であろうことは受け入れられている。]
[0010] 2003年10日4月に公開されたSyngentaへの(特許文献1)は、次式の殺真菌剤化合物またはその塩について説明している。]
[0011] [式中、
R1は、H、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C3−C7シクロアルキル、C3−C7シクロアルキル−C1−C4アルキル、C1−C4アルキル−C3−C7シクロアルキル−C1−C4アルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ヒドロクスアルキル(hydroxalkyl)、C1−C4アルコキシ−C1−C6アルキル、C1−C6アミノアルキル、C1−C4アルキル−C1−C6アミノアルキル、ジ(C1−C4アルキル)−C1−C6アミノアルキル、アリール−C1−C4アルキル、ヘテロアリール−C1−C4アルキル、または基−CO−R9、−CO−OR10、−CO−NR10R11、または−NR10R11であり、
R2は、H、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ヒドロクスアルキル(hydroxalkyl)、C1−C4アルコキシ−C1−C6アルキル、C1−C6アミノアルキル、C1−C4アルキル−C1−C6アミノアルキル、または基−CO−R9であり、
R1およびR2は、それらが結合する窒素と一緒に、環員として酸素もしくは硫黄を含み、または基−N=CR9−NR10R11を形成しうる、任意に置換されているN結合飽和もしくは不飽和N環系を形成し、
R3は、H、ハロゲンまたはC1−C4アルキルであり、
R4は、H、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、C3−C7シクロアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6ハロアルケニル、C2−C6アルキニル、C2−C6ハロアルキニル、アミノ、C1−C6アミノアルキル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、シアノ、C1−C6アルコキシ、C2−C6アルケニルオキシ、C2−C6アルキニルオキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C8アルカノイルオキシ−C1−C6アルキル、C1−C6アルキルチオ、C1−C6アルキルスルフィニル、C1−C6アルキルスルホニル、C1−C6ヒドロクスアルキル(hydroxalkyl)、C1−C4アルコキシ−C1−C6アルキル、C1−C6アミノアルキル、C1−C4アルキル−C1−C6アミノアルキル、ジ(C1−C4アルキル)−C1−C6アミノアルキル、C1−C8アルコキシカルボニル、C1−C8アルカノイル−C1−C6アミノアルキル、任意に置換されているヘテロシクリル、任意に置換されているアリール、任意に置換されているヘテロアリール、または基−CO−R9、−O−CO−R9、−NH−CO−R9、−(C1−C6アルキレン)−CO−R9、−C(−O−C1−C6アルキレン−O−)−R9、−C(=NOR8)−R9または−CO−NR10R11であり、
R5は、H、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシまたはC1−C6ハロアルキルであり、
R6は、H、C1−C6アルキルまたはC1−C6ハロアルキルであり、
R7は、各々が独立して、ハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルキルおよびC1−C4ハロアルコキシを含む群から選択した1個から3個の置換基によって任意に置換されている、チエニル、ピリジニルまたはアリールであり、
R8は、H、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C1−C4アルコキシ−C1−C6アルキル、または基−CO−R9または−CO−OR10であり、
R9は、H、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C3−C7シクロアルキル、C3−C7シクロアルキル−C1−C4アルキル、アリール、C1−C4アルキル−C3−C7シクロアルキル−C1−C4アルキル、アリール−C1−C4アルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリール−C1−C4アルキルであり、
R10は、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C3−C7シクロアルキル−C1−C4アルキルまたはC1−C4アルコキシ−C1−C6アルキルであり、
R11は、C1−C6アルキル、C3−C7シクロアルキル、C3−C7シクロアルキル−C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ−C1−C6アルキルアリールまたはヘテロアリールである]
2004年5月27日に公開されたCyclacel Ltd.への(特許文献2)は、次式の抗ウイルス化合物および製薬上許容されるその塩について説明している。]
[0012] [式中、
(A)X1およびX2の1個がSであり、X1およびX2の他方がNであり、
「a」は一重結合であり、かつ
「b」、「c」、「d」、「e」および「f」は、チアゾリル環を形成するために一重もしくは二重結合であり、
R2は、独立して、R1およびR3について以下に定義した通りであり、あるいは
(B)X1およびX2の1個がSであり、X1およびX2の他方がNR9であり、
「a」および「d」は、それぞれ二重結合であり、かつ
「b」、「c」、「e」および「f」は、それぞれ一重結合であり、
R2は、オキソであり、
R9は、Hまたはアルキルであり、
その際、
Zは、NH、NHCO、NHSO2、NHCH2、CH2、CH2CH2、またはCH=CHであり、
R1およびR3は、独立して、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ハロゲン、NO2、CN、OH、アルコキシ、アリールオキシ、NH2、NH−アルキル、N−(R’)(R”)、NH−アリール、N−(アリール)2、NHCOR’、COOH、COO−アルキル、COO−アリール、CONH2、CONH−R’、CON−(R’)(R”)、CONH−アリール、CON−(アリール)2、SO3H、SO2NH2、CF3、CO−R’、またはCO−アリールであり、その際、前記アルキル基、NH−アリール基、COO−アルキル基、NH−アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、および複素環基は、ハロゲン、NO2、CN、OH、O−メチル、NH2、COOH、N−(R’)(R”)、CONH2およびCF3から選択した1個もしくは複数の基によってさらに置換されていてよく、
R4、R5、R6、R7およびR8は、互いに独立して、H、任意に置換されている低級アルキル、ハロゲン、NO2、CN、OH、置換もしくは非置換アルコキシ、NH2、NH−R’、アルキル−アリール、アルキル−ヘテロアリール、NH(C=NH)NH2、N(R’)3+、N−(R’)(R”)、COOH、COO−R’、CONH2、CONH−R’、CON−(R’)(R”)、SO3H、SO2NH2、CF3、または(CH2)nO(CH2)mNR’R”、(CH2)nCO2(CH2)mOR”‘であり、その際、nは0、1、2もしくは3であり、mは1、2もしくは3であり、
その際、R’およびR”は、それぞれ独立して、同じでも、または異なってよい置換もしくは非置換アルキル基もしくはアルケニル基である]
2004年5月27日に公開されたCyclacel Lmtdへの(特許文献3)、および2005年12月8日に公開された同じくCyclacel Lmtdへの同(特許文献4)を参照されたい。]
[0013] 2004年7月8日に公開されたCyclacel Lmtd.への(特許文献5)は、糖尿病およびCNS疾患、脱毛症、循環器病および脳卒中を治療するための次式で表される化合物について説明している。]
[0014] [式中、
(A)XおよびYの1個はSであり、他方はNであり、または
XおよびYの1個はNHもしくはN−R5であり、他方はC−R6であり、
「a」は一重結合であり、かつ
「b」、「c」、「d」、「e」および「f」は、ヘテロアリール環を形成するために一重もしくは二重結合であり、
R1は、R7であるが、但しR1は、HまたはMe以外であり、あるいは
(B)XおよびYの1個はSであり、他方はNHまたはN−R5であり、
「a」および「d」は、それぞれ二重結合であり、かつ
「b」、「c」、「e」および「f」は、それぞれ一重結合であり、
R1はオキソであり、かつ
R2、R3、R4、R5、およびR6は、それぞれ独立してHまたはR7であり、
R7は、基(CH2)n−R8[式中、nは、0、1、2、3または4であり、その際、R8は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、F、Cl、Br、I、CF3、NO2、CN、OH、O−アルキル、O−アリール、O−ヘテロアリール、O−ヘテロシクロアルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−ヘテロアリール、CO−ヘテロシクロアルキル、COO−アルキル、NH2、NH−アルキル、NH−アリール、N(アルキル)2、NH−ヘテロアリール、NH−ヘテロシクロアルキル、COOH、CONH2、CONH−アルキル、CON(アルキル)2、CONH−アリール、CONH−ヘテロアリール、CONH−ヘテロシクロアルキル、SO3H、SO2−アルキル、SO2−アリール、SO2−ヘテロアリール、SO2−ヘテロシクロアルキル、SO2NH2、SO2NH−アルキル、SO2N(アルキル)2、SO2NH−アリール、SO2NH−ヘテロアリール、SO2NH−ヘテロシクロアルキルから選択され、その際、前記アルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクロアルキル基は、ハロゲン、NO2、OH、O−メチル、NH2、COOH、CONH2およびCF3から選択した1個もしくは複数の基によって任意に置換されている。]]
[0015] PCT公開WO2003/029249
PCT公開WO02/043467
PCT公開WO2004/043953
PCT公開WO2005/116025
PCT公開2004/056368]
先行技術

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課題を解決するための手段

[0017] 本発明の第1態様では、式(I)の化合物または製薬上許容されるその塩を提供する。]
[0018] 〔式中、
Yは、i、ii、およびiiiから選択される部分であり、]
[0019] [式中、
aは、0、1、2もしくは3であり、
各R1は、同一かもしくは異なり、かつハロ、アルキル、ハロアルキル、−OR6、−R5−OR6、−C(O)R6、−CO2R6、−S(O)fR6、−R5−S(O)fR6、−NR6R7、−R5−NR6R7、−CNおよび−R5−CNから独立して選択され、
fは、0、1もしくは2であり、
Q1は、−CH2−または−SO2−であり、
環A1は、シクロアルキル、フェニル、あるいはN、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有する5〜10員のヘテロアリールであり、
bは、0もしくは1であり、
W1は、OまたはSであり、
Q2は、結合または−N(H)−である]
cは、0、1もしくは2であり、
各R2は、同一かもしくは異なり、かつハロ、アルキル、ハロアルキル、−OR6、−S(O)fR6、−NR6R7、−CNおよび−NO2から独立して選択され、
Wは、−O−または−S−であり、
R3は、H、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、シクロアルキル、−R5−シクロアルキル、Ph、Het、−R5−OR6、−R5−S(O)fR6、−R5−S(O)2−NR6R7、−NR6R7、−N(R6)−シクロアルキル、−N(R6)Ph、−N(R6)Het、−N(R6)R5−Het、−N(R6)−R5−OR7、−N(R6)−R5−NR6R7、−N(H)C(O)R6、−R5−N(H)C(O)R6、−N(R6)−C(O)−NR6R7、−N(H)SO2R6、−N(R6)−R5−S(O)fR7、および−N(R6)−S(O)2−NR6R7から選択され、
[その場合、同一かもしくは異なり、かつハロ、C1−3アルキル、ハロアルキル、OH、O−C1−3アルキル、オキソ、S(C1−3アルキル)、SO2、NH2、N(H)C1−3アルキル、およびN(C1−3アルキル)2からそれぞれ独立して選択した1もしくは2個の置換基によって、前記シクロアルキルのそれぞれは任意に置換されている]
dは、0、1もしくは2であり、
各R4は、同一かもしくは異なり、かつハロ、アルキル、ハロアルキル、−OR6、−S(O)fR6、−NR6R7、−CNおよび−NO2から独立して選択され、
各Phは、同一かもしくは異なり、かつ1、2もしくは3個の置換基によって任意に置換されている独立したフェニルであるが、該置換基は、同一かもしくは異なり、かつハロ、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、O−C1−3アルキル、C1−3アルキレン−O−C1−3アルキル、OH、C1−3アルキレン−OH、NH2、N(H)C1−3アルキル、N(C1−3アルキル)2、CNおよびNO2からそれぞれ独立して選択され、
各Hetは、同一かもしくは異なり、かつ4〜6員の複素環から独立して選択され、該複素環は、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有し、かつ1、2もしくは3個の置換基によって任意に置換されており、該置換基は、同一かもしくは異なり、かつハロ、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、O−C1−3アルキル、C1−3アルキレン−O−C1−3アルキル、OH、C1−3アルキレン−OH、オキソ、C(O)(C1−3アルキル)、C(O)NH2、C(O)N(C1−3アルキル)2、SO3(H)、SO2(C1−3アルキル)、C1−3アルキレン−SO3(H)、C1−3アルキレン−SO2(C1−3アルキル)、NH2、N(H)C1−3アルキル、N(C1−3アルキル)2、CN、−CH2CN、およびNO2からそれぞれ独立して選択され、
各R5は、同一かもしくは異なり、かつ独立してC1−4アルキレンであり、
環Bは、フェニル、9〜10員のアリール、5〜6員のヘテロアリール、および9〜10員のヘテロアリールから選択され、各ヘテロアリールは、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1、2もしくは3個有し、
[その場合、環Bが、フェニルおよび5〜6員のヘテロアリールから選択された場合、
eは0、1、2もしくは3であり、そして
各Zは、同一かもしくは異なり、かつハロ、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、Het2、−R5Het2、Het3−Het2、オキソ、−OR6、−R5−OR6、−O−R5−OR6、−OHet2、−O−R5−Het2、−O−R5−NR6R7、−O−R5−S(O)2R6、−C(O)NR6R7、−R5−C(O)NR6R7、−CO2R6、−R5−CO2R6、−S(O)fR6、−R5−S(O)2R6、−S(O)fHet2、−R5−S(O)2Het2、−S(O)2NR6R7、−R5−S(O)2NR6R7、−S(O)2−R5−NR6R7、−NR6R7、−R5−NR6R7、−N(R6)Het2、−N(R6)−R5シクロアルキル、−N(R6)−R5−Het2、−N(R6)−R5−OR7、−N(R6)−R5−S(O)fR7、−N(R6)−R5−CN、−N(R6)−R5−NR6R7、−N(H)S(O)2R6、−N(R6)−C(O)−NR6R7、−N(R6)−S(O)2−NR6R7、−CN、−R5−CNおよび−NO2から独立して選択され、そして
環Bが、9〜10員のアリールまたは9〜10員のヘテロアリールである場合、
eは0、1もしくは2であり、
各Zは、同一かもしくは異なり、かつハロ、アルキル、オキソ、−OR6および−NR6R7から独立して選択されている]
各Het2は、同一かもしくは異なり、かつ独立して複素環またはヘテロアリールであり、該複素環またはヘテロアリールは、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有し、かつそれぞれ1、2もしくは3個の置換基によって任意に置換されており、該置換基は、同一かもしくは異なり、かつハロ、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、O−C1−3アルキル、C1−3アルキレン−O−C1−3アルキル、OH、C1−3アルキレン−OH、オキソ、C(O)(C1−3アルキル)、C(O)2−C1−3アルキル、C(O)−(C1−3アルキレン)−O(C1−3アルキル)、C(O)2−ベンジル、SO3H、SO2(C1−3アルキル)、C1−3アルキレン−SO3H、C1−3アルキレン−SO2(C1−3アルキル)、NH2、N(H)C1−3アルキル、N(C1−3アルキル)2、CNおよびC1−3アルキレン−CNからそれぞれ独立して選択され、
Het3は、4〜7員の複素環および5〜7員のヘテロアリールから選択され、該複素環またはヘテロアリールは、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有し、かつ1もしくは2個の追加の置換基によって任意に置換されており、該置換基は、同一かもしくは異なり、かつハロ、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、およびO−C1−3アルキルからそれぞれ独立して選択され、
各R6および各R7は、同一かもしくは異なり、かつ独立してH、アルキルまたはハロアルキルである〕
第2態様では、本発明は、式(I−i)、(I−ii)または(I−iii)の化合物を提供する。]
[0020] [式中、変数は全て、本明細書で定義した通りである]
第3態様では、本発明は、式(I−i−a)または(I−i−b)の化合物を提供する。]
[0021] [式中、変数は全て、本明細書で定義した通りである]
第4様では、本発明は、式(I−ii−a)、(I−ii−b)、(I−ii−c)、または(I−ii−d)の化合物を提供する。]
[0022] [式中、変数は全て、本明細書で定義した通りである]
第5態様では、本発明は、式(I−ii−1)の化合物を提供する。]
[0023] [式中、変数は全て、本明細書で定義した通りである]
第6様では、本発明は、式(I−iii−a)、(I−iii−b)、(I−iii−c)および(I−iii−d)の化合物を提供する。]
[0024] [式中、変数は全て、本明細書で定義した通りである]
本発明の第7態様では、以下の化合物から選択される化合物および製薬上許容されるその塩を提供する:
N−{3−[2−アミノ−5−(2−{[3−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−4−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}−4−ピリミジニル)−1,3−チアゾール−4−イル]フェニル}−2,6−ジフルオロ−N−メチルベンズアミド、
N−(3−{2−アミノ−5−[2−({3−クロロ−4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]−フェニル}アミノ)ピリミジン−4−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}フェニル)−2,6−ジフルオロベンズアミド−ギ酸
N−[3−(2−アミノ−5−{2−[(3,4,5−トリメトキシフェニル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、
N−[3−(2−(ジメチルアミノ)−5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、
2,6−ジフルオロ−N−{3−[5−(2−{[4−(メチルオキシ)−3−(4−メチル−1−ピペラジニル)フェニル]アミノ}−4−ピリミジニル)−1,3−チアゾール−4−イル]フェニル}ベンズアミド、
N−[3−(5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−3−フルオロフェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、および
N−[3−(5−{2−[(3−クロロ−4−{[2−(1−ピロリジニル)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド。]
[0025] 第8態様では、本発明は、式(I)の化合物(または本明細書に記載した式(I)の下位一般式)または製薬上許容されるその塩を含む医薬組成物を提供する。一実施形態では、医薬組成物は、さらに、製薬上許容される担体、希釈剤および賦形剤の1種もしくは複数を含む。]
[0026] 本発明の第9態様では、式(I)の化合物(または本明細書に記載した式(I)の下位一般式)または製薬上許容されるその塩の治療有効量を哺乳動物に投与するステップを含む、それを必要とする哺乳動物での感受性新生物の治療方法を提供する。感受性新生物には、バレット腺癌、胆道癌、膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、胆管癌;原発性CNS腫瘍および二次的CNS腫瘍を含む中枢神経系腫瘍;直腸結腸癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌;白血病およびリンパ腫を含む血液癌;肝細胞癌;小細胞肺癌、非小細胞肺癌および扁平細胞肺癌を含む肺癌;卵巣癌、子宮体癌、子宮頚癌、膵癌、下垂体腺腫、前立腺癌、腎臓癌、肉腫;黒色腫を含む皮膚癌;甲状腺癌、および子宮癌が含まれる。]
[0027] 本発明の別の態様では、式(I)の化合物もしくは製薬上許容されるその塩の治療有効量を哺乳動物に投与するステップを含む、それを必要とする哺乳動物での乳癌、直腸結腸癌、黒色腫、非小細胞肺癌、卵巣癌、または甲状腺癌の治療方法を提供する。]
[0028] 本発明の別の態様では、以下の化合物から選択される化合物および製薬上許容されるその塩の治療有効量を哺乳動物に投与するステップを含む、それを必要とする哺乳動物での感受性新生物の治療方法を提供する:
N−{3−[2−アミノ−5−(2−{[3−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−4−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}−4−ピリミジニル)−1,3−チアゾール−4−イル]フェニル}−2,6−ジフルオロ−N−メチルベンズアミド、
N−(3−{2−アミノ−5−[2−({3−クロロ−4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]−フェニル}アミノ)ピリミジン−4−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}フェニル)−2,6−ジフルオロベンズアミド−ギ酸
N−[3−(2−アミノ−5−{2−[(3,4,5−トリメトキシフェニル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、
N−[3−(2−(ジメチルアミノ)−5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、
2,6−ジフルオロ−N−{3−[5−(2−{[4−(メチルオキシ)−3−(4−メチル−1−ピペラジニル)フェニル]アミノ}−4−ピリミジニル)−1,3−チアゾール−4−イル]フェニル}ベンズアミド、
N−[3−(5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−3−フルオロフェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、および
N−[3−(5−{2−[(3−クロロ−4−{[2−(1−ピロリジニル)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド。]
[0029] 本発明の別の態様では、以下の化合物から選択される化合物および製薬上許容されるその塩の治療有効量を哺乳動物に投与するステップを含む、それを必要とする哺乳動物での、乳癌、直腸結腸癌、黒色腫、非小細胞肺癌、卵巣癌、または甲状腺癌の治療方法を提供する:
N−{3−[2−アミノ−5−(2−{[3−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−4−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}−4−ピリミジニル)−1,3−チアゾール−4−イル]フェニル}−2,6−ジフルオロ−N−メチルベンズアミド、
N−(3−{2−アミノ−5−[2−({3−クロロ−4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]−フェニル}アミノ)ピリミジン−4−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}フェニル)−2,6−ジフルオロベンズアミド−ギ酸
N−[3−(2−アミノ−5−{2−[(3,4,5−トリメトキシフェニル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、
N−[3−(2−(ジメチルアミノ)−5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、
2,6−ジフルオロ−N−{3−[5−(2−{[4−(メチルオキシ)−3−(4−メチル−1−ピペラジニル)フェニル]アミノ}−4−ピリミジニル)−1,3−チアゾール−4−イル]フェニル}ベンズアミド、
N−[3−(5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−3−フルオロフェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、および
N−[3−(5−{2−[(3−クロロ−4−{[2−(1−ピロリジニル)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド。]
[0030] 本発明の別の態様では、式(I)の化合物(式中、Yは、部分i、iiまたはiiiであり、他の変数は全て、本明細書で定義した通りである)(または本明細書に記載した式(I)の下位一般式)を調製する方法を提供する。その方法は、式(VIII)、(VIII−A)、(VIII−B)または(XXVI)の化合物と、]
[0031] [式中、R10は、ハロまたはチオメチルであり、
式(VIII)のYは、部分iiまたは部分iiiであり、その際Q2は−N(H)−であり、
Y2は、−C(O)NH、−CH2−C(O)NH−、または−N(H)C(O)N(H)−であり、
環A2は、フェニルまたは環A1であり、
かつ他の変数は全て、先に定義した通りである]
式(IX)のアニリン:]
[0032] とを反応させて、式(I)の化合物(式中、Yは、部分i、iiまたはiiiである)または本明細書に記載した式(I)の下位一般式、特に式(I−i)、(I−ii)または(I−iii)の化合物を調製するステップを含む。]
[0033] 本発明の別の態様では、式(I)の化合物(式中、Yは部分iiまたは部分iiiであり、その際Q2は−N(H)−であり、他の変数は全て、本明細書で定義した通りである)を調製する方法を提供する。その方法は、式(XIV)の化合物と、]
[0034] (式中、変数は全て、本明細書で定義した通りである)
式(VII−A)の化合物:]
[0035] (式中、環A2は、フェニルまたは環A1であり、LGは好適な脱離基である)
または式(VII−B)の化合物:]
[0036] とを反応させて、式(I)の化合物、特に式(I−ii)または(I−iii)の化合物(式中、Q2は−N(H)−である)を調製するステップを含む。]
[0037] 本発明の別の態様では、式(I)の化合物(式中、Yは部分iiまたは部分iiiであり、その際Q2は−N(H)−であり、他の変数は全て、本明細書で定義した通りである)(または本明細書に記載した式(I)の下位一般式)を調製する方法を提供する。その方法は、
式(XXXI)の化合物と、]
[0038] 好適なブロム化剤とを反応させ、続いて
i)チオ尿素、
ii)ホルムアミド、
iii)アミド、
iv)チオアミド、または
v)尿素、
の1つと反応させて、式(I)の化合物(または本明細書に記載した式(I)の下位一般式)を調製するステップを含む。]
[0039] 本発明の別の態様では、治療に使用するための、式(I)(本明細書に記載した任意の特定の下位一般式を含む)の化合物または製薬上許容されるその塩を提供する。]
[0040] 別の態様では、それを必要とする哺乳動物(例えばヒト)で、感受性新生物(例えば、バレット腺癌、胆道癌、膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、胆管癌;原発性CNS腫瘍および二次的CNS腫瘍を含む中枢神経系腫瘍;直腸結腸癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌;白血病およびリンパ腫を含む血液癌;肝細胞癌;小細胞肺癌、非小細胞肺癌および扁平細胞肺癌を含む肺癌;卵巣癌、子宮体癌、子宮頚癌、膵癌、下垂体腺腫、前立腺癌、腎臓癌、肉腫;黒色腫を含む皮膚癌;甲状腺癌、および子宮癌)の治療に使用する、式(I)(本明細書に記載した任意の特定の下位一般式を含む)の化合物または製薬上許容されるその塩を提供する。]
[0041] 別の態様では、それを必要とする哺乳動物(例えばヒト)で、乳癌、直腸結腸癌、黒色腫、非小細胞肺癌、卵巣癌、または甲状腺癌の治療に使用する、式(I)(本明細書に記載した任意の特定の下位一般式を含む)の化合物または製薬上許容されるその塩を提供する。]
[0042] 別の態様では、それを必要とする哺乳動物(例えばヒト)で、感受性新生物(例えば、バレット腺癌、胆道癌、膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、胆管癌;原発性CNS腫瘍および二次的CNS腫瘍を含む中枢神経系腫瘍;直腸結腸癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌;白血病およびリンパ腫を含む血液癌;肝細胞癌;小細胞肺癌、非小細胞肺癌および扁平細胞肺癌を含む肺癌;卵巣癌、子宮体癌、子宮頚癌、膵癌、下垂体腺腫、前立腺癌、腎臓癌、肉腫;黒色腫を含む皮膚癌;甲状腺癌、および子宮癌)の治療に使用するための、以下の化合物から選択される化合物および製薬上許容されるその塩を提供する:
N−{3−[2−アミノ−5−(2−{[3−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−4−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}−4−ピリミジニル)−1,3−チアゾール−4−イル]フェニル}−2,6−ジフルオロ−N−メチルベンズアミド、
N−(3−{2−アミノ−5−[2−({3−クロロ−4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]−フェニル}アミノ)ピリミジン−4−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}フェニル)−2,6−ジフルオロベンズアミド−ギ酸
N−[3−(2−アミノ−5−{2−[(3,4,5−トリメトキシフェニル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、
N−[3−(2−(ジメチルアミノ)−5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、
2,6−ジフルオロ−N−{3−[5−(2−{[4−(メチルオキシ)−3−(4−メチル−1−ピペラジニル)フェニル]アミノ}−4−ピリミジニル)−1,3−チアゾール−4−イル]フェニル}ベンズアミド、
N−[3−(5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−3−フルオロフェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、および
N−[3−(5−{2−[(3−クロロ−4−{[2−(1−ピロリジニル)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド。]
[0043] 別の態様では、それを必要とする哺乳動物(例えばヒト)で、乳癌、直腸結腸癌、黒色腫、非小細胞肺癌、卵巣癌、または甲状腺癌の治療に使用する、以下の化合物から選択される化合物および製薬上許容されるその塩を提供する:
N−{3−[2−アミノ−5−(2−{[3−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−4−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}−4−ピリミジニル)−1,3−チアゾール−4−イル]フェニル}−2,6−ジフルオロ−N−メチルベンズアミド、
N−(3−{2−アミノ−5−[2−({3−クロロ−4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]−フェニル}アミノ)ピリミジン−4−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}フェニル)−2,6−ジフルオロベンズアミド−ギ酸
N−[3−(2−アミノ−5−{2−[(3,4,5−トリメトキシフェニル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、
N−[3−(2−(ジメチルアミノ)−5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、
2,6−ジフルオロ−N−{3−[5−(2−{[4−(メチルオキシ)−3−(4−メチル−1−ピペラジニル)フェニル]アミノ}−4−ピリミジニル)−1,3−チアゾール−4−イル]フェニル}ベンズアミド、
N−[3−(5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−3−フルオロフェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、および
N−[3−(5−{2−[(3−クロロ−4−{[2−(1−ピロリジニル)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド。]
[0044] 本発明の別の態様では、それを必要とする哺乳動物(例えばヒト)で、感受性新生物(例えば、バレット腺癌、胆道癌、膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、胆管癌;原発性CNS腫瘍および二次的CNS腫瘍を含む中枢神経系腫瘍;直腸結腸癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌;白血病およびリンパ腫を含む血液癌;肝細胞癌;小細胞肺癌、非小細胞肺癌および扁平細胞肺癌を含む肺癌;卵巣癌、子宮体癌、子宮頚癌、膵癌、下垂体腺腫、前立腺癌、腎臓癌、肉腫;黒色腫を含む皮膚癌;甲状腺癌、および子宮癌)の治療に使用する薬物の調製における、式(I)(本明細書に記載した任意の特定の下位一般式を含む)の化合物または製薬上許容されるその塩の使用を提供する。]
[0045] 本発明の別の態様では、それを必要とする哺乳動物(例えばヒト)で、乳癌、直腸結腸癌、黒色腫、非小細胞肺癌、卵巣癌、または甲状腺癌の治療に使用する薬物の調製における、式(I)(本明細書に記載した任意の特定の下位一般式を含む)の化合物または製薬上許容されるその塩の使用を提供する。]
[0046] 本発明の別の態様では、それを必要とする哺乳動物(例えばヒト)で、感受性新生物(例えば、バレット腺癌、胆道癌、膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、胆管癌;原発性CNS腫瘍および二次的CNS腫瘍を含む中枢神経系腫瘍;直腸結腸癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌;白血病およびリンパ腫を含む血液癌;肝細胞癌;小細胞肺癌、非小細胞肺癌および扁平細胞肺癌を含む肺癌;卵巣癌、子宮体癌、子宮頚癌、膵癌、下垂体腺腫、前立腺癌、腎臓癌、肉腫;黒色腫を含む皮膚癌;甲状腺癌、および子宮癌)を治療する薬物を調製するための、以下の化合物から選択される化合物および製薬上許容されるその塩の使用を提供する:
N−{3−[2−アミノ−5−(2−{[3−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−4−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}−4−ピリミジニル)−1,3−チアゾール−4−イル]フェニル}−2,6−ジフルオロ−N−メチルベンズアミド、
N−(3−{2−アミノ−5−[2−({3−クロロ−4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]−フェニル}アミノ)ピリミジン−4−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}フェニル)−2,6−ジフルオロベンズアミド−ギ酸
N−[3−(2−アミノ−5−{2−[(3,4,5−トリメトキシフェニル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、
N−[3−(2−(ジメチルアミノ)−5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、
2,6−ジフルオロ−N−{3−[5−(2−{[4−(メチルオキシ)−3−(4−メチル−1−ピペラジニル)フェニル]アミノ}−4−ピリミジニル)−1,3−チアゾール−4−イル]フェニル}ベンズアミド、
N−[3−(5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−3−フルオロフェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、および
N−[3−(5−{2−[(3−クロロ−4−{[2−(1−ピロリジニル)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド。]
[0047] 本発明の別の態様では、それを必要とする哺乳動物(例えばヒト)で、乳癌、直腸結腸癌、黒色腫、非小細胞肺癌、卵巣癌、または甲状腺癌を治療する薬物を調製するための、以下の化合物から選択される化合物および製薬上許容されるその塩の使用を提供する:
N−{3−[2−アミノ−5−(2−{[3−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−4−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}−4−ピリミジニル)−1,3−チアゾール−4−イル]フェニル}−2,6−ジフルオロ−N−メチルベンズアミド、
N−(3−{2−アミノ−5−[2−({3−クロロ−4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]−フェニル}アミノ)ピリミジン−4−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}フェニル)−2,6−ジフルオロベンズアミド−ギ酸
N−[3−(2−アミノ−5−{2−[(3,4,5−トリメトキシフェニル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、
N−[3−(2−(ジメチルアミノ)−5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、
2,6−ジフルオロ−N−{3−[5−(2−{[4−(メチルオキシ)−3−(4−メチル−1−ピペラジニル)フェニル]アミノ}−4−ピリミジニル)−1,3−チアゾール−4−イル]フェニル}ベンズアミド、
N−[3−(5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−3−フルオロフェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、および
N−[3−(5−{2−[(3−クロロ−4−{[2−(1−ピロリジニル)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド。]
[0048] 本発明の別の態様では、それを必要とする哺乳動物(例えばヒト)で、感受性新生物(例えば、バレット腺癌、胆道癌、膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、胆管癌;原発性CNS腫瘍および二次的CNS腫瘍を含む中枢神経系腫瘍;直腸結腸癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌;白血病およびリンパ腫を含む血液癌;肝細胞癌;小細胞肺癌、非小細胞肺癌および扁平細胞肺癌を含む肺癌;卵巣癌、子宮体癌、子宮頚癌、膵癌、下垂体腺腫、前立腺癌、腎臓癌、肉腫;黒色腫を含む皮膚癌;甲状腺癌、および子宮癌)の治療に使用するための、式(I)(本明細書に記載した任意の特定の下位一般式を含む)の化合物または製薬上許容されるその塩を含む医薬組成物を提供する。]
[0049] 本発明の別の態様では、それを必要とする哺乳動物(例えばヒト)で、乳癌、直腸結腸癌、黒色腫、非小細胞肺癌、卵巣癌、または甲状腺癌の治療に使用する式(I)(本明細書に記載した任意の特定の下位一般式を含む)の化合物または製薬上許容されるその塩を含む医薬組成物を提供する。]
[0050] 本発明の別の態様では、それを必要とする哺乳動物(例えばヒト)で、感受性新生物(例えば、バレット腺癌、胆道癌、膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、胆管癌;原発性CNS腫瘍および二次的CNS腫瘍を含む中枢神経系腫瘍;直腸結腸癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌;白血病およびリンパ腫を含む血液癌;肝細胞癌;小細胞肺癌、非小細胞肺癌および扁平細胞肺癌を含む肺癌;卵巣癌、子宮体癌、子宮頚癌、膵癌、下垂体腺腫、前立腺癌、腎臓癌、肉腫;黒色腫を含む皮膚癌;甲状腺癌、および子宮癌)の治療に使用する、以下の化合物から選択される化合物および製薬上許容されるその塩を含む医薬組成物を提供する:
N−{3−[2−アミノ−5−(2−{[3−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−4−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}−4−ピリミジニル)−1,3−チアゾール−4−イル]フェニル}−2,6−ジフルオロ−N−メチルベンズアミド、
N−(3−{2−アミノ−5−[2−({3−クロロ−4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]−フェニル}アミノ)ピリミジン−4−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}フェニル)−2,6−ジフルオロベンズアミド−ギ酸
N−[3−(2−アミノ−5−{2−[(3,4,5−トリメトキシフェニル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、
N−[3−(2−(ジメチルアミノ)−5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、
2,6−ジフルオロ−N−{3−[5−(2−{[4−(メチルオキシ)−3−(4−メチル−1−ピペラジニル)フェニル]アミノ}−4−ピリミジニル)−1,3−チアゾール−4−イル]フェニル}ベンズアミド、
N−[3−(5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−3−フルオロフェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、および
N−[3−(5−{2−[(3−クロロ−4−{[2−(1−ピロリジニル)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド。]
[0051] 本発明の別の態様では、それを必要とする哺乳動物(例えばヒト)で、乳癌、直腸結腸癌、黒色腫、非小細胞肺癌、卵巣癌、または甲状腺癌の治療に使用する、以下の化合物から選択される化合物および製薬上許容されるその塩を含む医薬組成物を提供する:
N−{3−[2−アミノ−5−(2−{[3−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−4−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}−4−ピリミジニル)−1,3−チアゾール−4−イル]フェニル}−2,6−ジフルオロ−N−メチルベンズアミド、
N−(3−{2−アミノ−5−[2−({3−クロロ−4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]−フェニル}アミノ)ピリミジン−4−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}フェニル)−2,6−ジフルオロベンズアミド−ギ酸
N−[3−(2−アミノ−5−{2−[(3,4,5−トリメトキシフェニル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、
N−[3−(2−(ジメチルアミノ)−5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、
2,6−ジフルオロ−N−{3−[5−(2−{[4−(メチルオキシ)−3−(4−メチル−1−ピペラジニル)フェニル]アミノ}−4−ピリミジニル)−1,3−チアゾール−4−イル]フェニル}ベンズアミド、
N−[3−(5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−3−フルオロフェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、および
N−[3−(5−{2−[(3−クロロ−4−{[2−(1−ピロリジニル)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド。]
[0052] 本発明のこれらの態様や他の態様を、さらに以下、発明を実施するための最良の形態および実施例に記載する。]
[0053] 本明細書で使用する限り、「ErbBファミリーキナーゼ」という用語は、EGFR(ErbB1としても知られている)、ErbB2、およびErbB4を含むErbBキナーゼをさす。]
[0054] 本明細書で使用する限り、「Rafファミリーキナーゼ」という用語は、A−Raf、B−Rafおよびc−Raf(Raf−1としても知られている)を含むRafキナーゼをさす。]
[0055] 本明細書で使用する限り、「式(I)の化合物」は、与えられた変数定義によって定義した一構造式(I)を有する任意の化合物であって、1個もしくは複数の多形体およびそれらの混合物を含む非結晶形および結晶形を含む化合物を意味する。1個もしくは複数の不斉中心を有する式(I)の化合物の場合には、その化合物は、ラセミ混合物、または1個もしくは複数の異性体が濃縮された立体異性体もしくは純粋立体異性体の形であってよく、その鏡像異性体およびジアステレオマーを含む。そのような実施形態では、「式(I)の化合物」には、ラセミ形、および濃縮鏡像異性体もしくは純粋鏡像異性体、およびジアステレオマーが含まれる。鏡像異性的に濃縮された化合物もしくは純粋化合物は、存在する主な異性体に従って、+、−、R、S、d、l、DおよびLという名称を含む従来の命名法を使用して名づけられよう。本発明化合物が、アルケニル基またはアルケニレン基を含む場合には、シス(E)およびトランス(Z)異性も生じうる。そのような実施形態では、「式(I)の化合物」に本発明化合物の個々の立体異性体が含まれ、それらは従来のシス/トランス命名法を使用して表示されよう。また、式(I)の化合物が、式に示される以外の互変異性体で存在することもあり、代替の互変異性体も「式(I)の化合物」内に含まれることは理解されよう。]
[0056] 本明細書で使用する限り、「本発明化合物」は、(先に定義した)式(I)の化合物を意味し、本明細書に記載した式(formla)(I)の任意の下位一般式の化合物を含み、その化合物とは、任意のバージョン、すなわち、遊離塩基または製薬上許容されるその塩のことである。任意のバージョンとして化合物は、非結晶形もしくは結晶形、特定の多形、水和物(例えば、モノ−、ジ−およびヘミ−水和物)を含む溶媒和物、および様々な形態の混合物を含む任意の形態であってよい。]
[0057] 中間体も塩として存在しうる。中間体に関して、「式(番号)の化合物」という語句は、その構造式を有する化合物または製薬上許容されるその塩を意味する。]
[0058] 本明細書で使用する「アルキル」という用語は、異なる原子数が記載されていなければ1〜8個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝状炭化水素鎖をさす。本明細書で使用する「アルキル」の例には、それだけには限らないが、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、イソブチル、イソプロピル、およびtert−ブチルが含まれる。同様に、「アルキレン」という用語は、異なる原子数が記載されていなければ、1〜8個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝状二価炭化水素鎖をさす。本明細書で使用する「アルキレン」の例には、それだけには限らないが、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、およびイソブチレンが含まれる。]
[0059] 本明細書で使用する限り、「アルケニル」という用語は、異なる原子数が記載されていなければ、2〜8個の炭素原子と、少なくとも一個、そして3個までの炭素炭素間二重結合を有する直鎖もしくは分枝状炭化水素鎖をさす。本明細書で使用する「アルケニル」の例には、それだけには限らないが、エテニルおよびプロペニルが含まれる。]
[0060] 本明細書で使用する限り、「シクロアルキル」という用語は、異なる原子数が記載されていなければ、3〜8個の炭素原子を有し、縮合系およびスピロ系を含む飽和単環式炭素環または飽和二環式炭素環をさす。一実施形態では、「シクロアルキル」は、異なる数が記載されていなければ、3〜8個の炭素原子を有する飽和単環式炭素環をさす。「シクロアルキル」には、例としてシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが含まれる。好ましいシクロアルキル基には、置換および非置換C3−6シクロアルキルが含まれる。]
[0061] 「ハロ」および「ハロゲン」という用語は同義であり、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードをさす。]
[0062] 本明細書で使用する限り、「ハロアルキル」は、1個もしくは複数のハロゲン原子、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードによって置換されている先に定義したアルキルをさす。ハロアルキル基が8個未満の炭素原子を有する場合、その基の炭素原子数は、例えば「ハロC1−3アルキル」と示し、これは、そのハロアルキル基が1、2もしくは3個の炭素原子を有することを示す。本明細書で使用するハロアルキルの例には、それだけには限らないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、トリフルオロエチルなどが含まれる。]
[0063] 「オキソ」という用語は、炭化水素環(例えば、シクロアルキルまたはシクロアルケニル)の炭素原子、または複素環式またはヘテロアリール環のC、NまたはSに直接結合し、酸化物、N−酸化物、スルホンおよびスルホキシドをもたらす基=Oをさす。]
[0064] 本明細書で使用する限り、「アリール」という用語は、芳香族単環式炭素環基、芳香族縮合二環式炭素環基、および芳香環と非芳香環を含む二環式縮合炭素環基をさし、それぞれは記載した炭素原子数を有する。式(I)の化合物が、2個もしくはそれ以上のアリール基を含む全ての実施形態で、アリール基は、同じでも、または異なってよく独立して選択される。特定のアリール基の例には、それだけには限らないが、フェニル、インデニルおよびナフチルが含まれる。]
[0065] 本明細書で使用する限り、「複素環(heterocycle)」および「複素環式(heterocyclic)」という用語は、同義であり、単環式飽和もしくは不飽和非芳香族基、および縮合二環式飽和もしくは不飽和非芳香族基をさし、それぞれ(異なる員数が記載していなければ)4〜10員であり、スピロ系は(異なる員数が記載していなければ)7〜12員である。単環系、二環系およびスピロ系は、異なるヘテロ原子数が記載されていなければ、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1、2もしくは3個を含む。一実施形態では、「複素環」および「複素環式」は、単環式飽和もしくは不飽和非芳香族基および縮合二環式飽和もしくは不飽和非芳香族基をさし、それぞれ(異なる員数が記載していなければ)4〜10員であり、異なるヘテロ原子数が記載されていなければ、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1、2もしくは3個を含む。複素環が6員またはそれ以下の実施形態では、そのような実施形態には7〜12員のスピロ系が含まれないことは明らかである。複素環が2個もしくはそれ以上のヘテロ原子を含む全ての実施形態では、そのヘテロ原子は、同じでも、または異なってよく、N、OおよびSから独立して選択されている。式(I)の化合物が2個もしくはそれ以上の複素環基を含む全ての実施形態では、その複素環基は、同じでも、または異なってよく、独立して選択される。特定の複素環基の例には、それだけには限らないが、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピラン、チエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキサラン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、チオモルホリン、チアゾリジン、オキサゾリジン、テトラヒドロチオピラン、テトラヒドロチオフェンなどが含まれる。]
[0066] 本明細書で使用する限り、「N−複素環」という用語は、単環式飽和もしくは不飽和非芳香族基、縮合二環式飽和もしくは不飽和非芳香族基をさし、それぞれ(異なる員数が記載していなければ)4〜10員であり、スピロ系は(異なる員数が記載していなければ)7〜12員である。単環系、二環系およびスピロ系は、少なくとも一個のNと、任意により、異なる追加のヘテロ原子数が記載されていなければ、N、OおよびSから選択した1もしくは2個の追加のヘテロ原子を含む。一実施形態では、「N−複素環」は、単環式飽和もしくは不飽和非芳香族基および縮合二環式飽和もしくは不飽和非芳香族基をさし、それぞれ(異なる員数が記載していなければ)4〜10員であり、少なくとも一個のNと、任意により、異なる追加のヘテロ原子数が記載されていなければ、N、OおよびSから選択した1もしくは2個の追加のヘテロ原子を含む。N−複素環が、6員またはそれ以下の実施形態では、そのような実施形態が7〜12員のスピロ系を含まないことは明らかである。「追加のヘテロ原子」は、N−複素環で既に明記したNに追加される1もしくは2個のヘテロ原子を意味する。複素環が、追加のヘテロ原子を1個もしくは複数含む全ての実施形態では、ヘテロ原子は、同じでも、または異なってよく、N、OおよびSから独立して選択されている。式(I)の化合物が、2個もしくはそれ以上のN−複素環基を含む全ての実施形態では、N−複素環基は、同じでも、または異なってよく、独立して選択される。N−複素環の例には、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、チオモルホリンなどが含まれる。]
[0067] 本明細書で使用する限り、「ヘテロアリール」という用語は、芳香族単環式基、芳香族縮合二環式基および芳香環と非芳香環を有する縮合二環式基をさし、それぞれ、(異なる員数が記載していなければ)5〜10員であり、異なるヘテロ原子数が記載されていなければN、OおよびSから選択した1、2、3、または4個のヘテロ原子(特に1、2もしくは3個)を含む。ヘテロアリールが、2個もしくはそれ以上のヘテロ原子を含む全ての実施形態では、ヘテロ原子は、同じでも、または異なってよく、N、OおよびSから独立して選択されている。式(I)の化合物が、2個もしくはそれ以上のヘテロアリール基を含む全ての実施形態では、ヘテロアリール基は、同じでも、または異なってよく、独立して選択される。特定のヘテロアリール基の例には、それだけには限らないが、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、テトラヒドロキノリン、イソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、インドリン、インダゾール、ベンゾジオキサン、ベンゾジオキシン、ベンゾジチアン、ベンゾキサジン、ベンゾピペリジンおよびベンゾピペラジンが含まれる。]
[0068] 本明細書で使用する限り、「N−ヘテロアリール」という用語は、芳香族単環式基、芳香族縮合二環式基、および芳香環と非芳香環を有する縮合二環式基をさし、それぞれ、(異なる員数が記載していなければ)5〜10員であり、少なくとも一個のNと、任意により異なるヘテロ原子数が記載されていなければ、N、OおよびSから選択した1、2もしくは3個(特に1もしくは2個)の追加のヘテロ原子を含む。「追加のヘテロ原子」は、N−ヘテロアリール環で、既に明記したNに追加される1、2もしくは3個のヘテロ原子を意味する。ヘテロアリールが、追加のヘテロ原子を1個もしくは複数含む全ての実施形態では、ヘテロ原子は、同じでも、または異なってよく、N、OおよびSから独立して選択されている。式(I)の化合物が、2個もしくはそれ以上のN−ヘテロアリール基を含む全ての実施形態では、N−ヘテロアリール基は、同じでも、または異なってよく、独立して選択される。N−ヘテロアリールの例には、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、インドール、インドリン、ベンゾピペリジンおよびベンゾピペルジン(benzopiperzine)が含まれる。]
[0069] 本明細書で使用する限り、複素環基およびヘテロアリール基と関連する「員数」(およびその変形、例えば「員」)という用語は、炭素およびヘテロ原子N、Oおよび/またはSを含む総環原子数をさす。従って、6員複素環の一例はピペリジンであり、6員ヘテロアリール環の一例はピリジンである。]
[0070] 本明細書で使用する限り、「任意に置換されている」という用語は、非置換基または環(例えば、シクロアルキル、複素環、およびヘテロアリール環)、および1個もしくは複数の明記した置換基で置換したそのような環を意味する。]
[0071] 本発明は、式(I)の化合物および製薬上許容されるその塩を提供する:]
[0072] 〔式中、
Yは、i、ii、およびiiiから選択される部分であり、]
[0073] [式中、
aは、0、1、2もしくは3であり、
各R1は、同一かもしくは異なり、かつハロ、アルキル、ハロアルキル、−OR6、−R5−OR6、−C(O)R6、−CO2R6、−S(O)fR6、−R5−S(O)fR6、−NR6R7、−R5−NR6R7、−CNおよび−R5−CNから独立して選択され、
fは、0、1もしくは2であり、
Q1は、−CH2−または−SO2−であり、
環A1は、シクロアルキル、フェニル、あるいはN、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有する5〜10員のヘテロアリールであり、
bは、0もしくは1であり、
W1は、OまたはSであり、
Q2は、結合または−N(H)−である]
cは、0、1もしくは2であり、
各R2は、同一かもしくは異なり、かつハロ、アルキル、ハロアルキル、−OR6、−S(O)fR6、−NR6R7、−CNおよび−NO2から独立して選択され、
Wは、−O−または−S−であり、
R3は、H、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、シクロアルキル、−R5−シクロアルキル、Ph、Het、−R5−OR6、−R5−S(O)fR6、−R5−S(O)2−NR6R7、−NR6R7、−N(R6)−シクロアルキル、−N(R6)Ph、−N(R6)Het、−N(R6)R5−Het、−N(R6)−R5−OR7、−N(R6)−R5−NR6R7、−N(H)C(O)R6、−R5−N(H)C(O)R6、−N(R6)−C(O)−NR6R7、−N(H)SO2R6、−N(R6)−R5−S(O)fR7、および−N(R6)−S(O)2−NR6R7から選択され、
[その場合、同一かもしくは異なり、かつハロ、C1−3アルキル、ハロアルキル、OH、O−C1−3アルキル、オキソ、S(C1−3アルキル)、SO2、NH2、N(H)C1−3アルキル、およびN(C1−3アルキル)2からそれぞれ独立して選択した1もしくは2個の置換基によって、前記シクロアルキルのそれぞれは任意に置換されている]
dは、0、1もしくは2であり、
各R4は、同一かもしくは異なり、かつハロ、アルキル、ハロアルキル、−OR6、−S(O)fR6、−NR6R7、−CNおよび−NO2から独立して選択され、
各Phは、同一かもしくは異なり、かつ1、2もしくは3個の置換基によって任意に置換されている独立したフェニルであるが、該置換基は、同一かもしくは異なり、かつハロ、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、O−C1−3アルキル、C1−3アルキレン−O−C1−3アルキル、OH、C1−3アルキレン−OH、NH2、N(H)C1−3アルキル、N(C1−3アルキル)2、CNおよびNO2からそれぞれ独立して選択され、
各Hetは、同一かもしくは異なり、かつ4〜6員の複素環から独立して選択され、該複素環は、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有し、かつ1、2もしくは3個の置換基によって任意に置換されており、該置換基は、同一かもしくは異なり、かつハロ、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、O−C1−3アルキル、C1−3アルキレン−O−C1−3アルキル、OH、C1−3アルキレン−OH、オキソ、C(O)(C1−3アルキル)、C(O)NH2、C(O)N(C1−3アルキル)2、SO3(H)、SO2(C1−3アルキル)、C1−3アルキレン−SO3(H)、C1−3アルキレン−SO2(C1−3アルキル)、NH2、N(H)C1−3アルキル、N(C1−3アルキル)2、CN、−CH2CN、およびNO2からそれぞれ独立して選択され、
各R5は、同一かもしくは異なり、かつ独立してC1−4アルキレンであり、
環Bは、フェニル、9〜10員のアリール、5〜6員のヘテロアリール、および9〜10員のヘテロアリールから選択され、各ヘテロアリールは、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1、2もしくは3個有し、
[その場合、環Bが、フェニルおよび5〜6員のヘテロアリールから選択された場合、
eは0、1、2もしくは3であり、そして
各Zは、同一かもしくは異なり、かつハロ、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、Het2、−R5Het2、Het3−Het2、オキソ、−OR6、−R5−OR6、−O−R5−OR6、−OHet2、−O−R5−Het2、−O−R5−NR6R7、−O−R5−S(O)2R6、−C(O)NR6R7、−R5−C(O)NR6R7、−CO2R6、−R5−CO2R6、−S(O)fR6、−R5−S(O)2R6、−S(O)fHet2、−R5−S(O)2Het2、−S(O)2NR6R7、−R5−S(O)2NR6R7、−S(O)2−R5−NR6R7、−NR6R7、−R5−NR6R7、−N(R6)Het2、−N(R6)−R5シクロアルキル、−N(R6)−R5−Het2、−N(R6)−R5−OR7、−N(R6)−R5−S(O)fR7、−N(R6)−R5−CN、−N(R6)−R5−NR6R7、−N(H)S(O)2R6、−N(R6)−C(O)−NR6R7、−N(R6)−S(O)2−NR6R7、−CN、−R5−CNおよび−NO2から独立して選択され、そして
環Bが、9〜10員のアリールまたは9〜10員のヘテロアリールである場合、
eは0、1もしくは2であり、
各Zは、同一かもしくは異なり、かつハロ、アルキル、オキソ、−OR6および−NR6R7から独立して選択されている]
各Het2は、同一かもしくは異なり、かつ独立して複素環またはヘテロアリールであり、該複素環またはヘテロアリールは、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有し、かつそれぞれ1、2もしくは3個の置換基によって任意に置換されており、該置換基は、同一かもしくは異なり、かつハロ、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、O−C1−3アルキル、C1−3アルキレン−O−C1−3アルキル、OH、C1−3アルキレン−OH、オキソ、C(O)(C1−3アルキル)、C(O)2−C1−3アルキル、C(O)−(C1−3アルキレン)−O(C1−3アルキル)、C(O)2−ベンジル、SO3H、SO2(C1−3アルキル)、C1−3アルキレン−SO3H、C1−3アルキレン−SO2(C1−3アルキル)、NH2、N(H)C1−3アルキル、N(C1−3アルキル)2、CNおよびC1−3アルキレン−CNからそれぞれ独立して選択され、
Het3は、4〜7員の複素環および5〜7員のヘテロアリールから選択され、該複素環またはヘテロアリールは、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有し、かつ1もしくは2個の追加の置換基によって任意に置換されており、該置換基は、同一かもしくは異なり、かつハロ、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、およびO−C1−3アルキルからそれぞれ独立して選択され、
各R6および各R7は、同一かもしくは異なり、かつ独立してH、アルキルまたはハロアルキルである〕。]
[0074] 本発明化合物は、いくつかの可能な置換基または基を表すための変数を使用する従来方式で記載されている。本明細書に記載した変数の元の特定の好ましい定義は、式(I)の化合物、本発明化合物、および本明細書に記載した式(I)の下位一般式に等しく当てはまる。簡潔にするために、以下の記述は、一般的には、全ての化合物というより「本発明化合物」をさす。本発明化合物が、下位一般式を含む全ての式(I)の化合物を包含するからである。本発明化合物を説明するのに使用した変数の定義は、通常の熟練有機化学者が有する知識に照らして選択され、そのような化学者が、明らかに操作不能もしくは不安定と考える実施形態は回避されることは理解されるものとする。例えば、当業の有機化学者であれば、部分、例えば、−N(H)CH2F、−N(H)CH2NH2、−OCH2NH2などによって、潜在的に不安定なアセタール、アミナールまたはイミニウムイオンがもたらされることは理解されよう。そのようなものとして、そうした実施形態を回避する方式で変数は定義されるというように、本発明は理解されよう。そのようなものとして、そのような実施形態を回避するな方式で変数が定義されるというように、本発明は理解されるべきである。]
[0075] 参照しやすいように、式(I)の部分は、本明細書では「頭」部または「テイル」部と呼ばれる場合もある。部分Yによって置換されたフェニルは「頭」部を定義し、「テイル」部を以下の図のボックスによって示す。]
[0076] 部分Yの定義について考慮し、次式によって本発明の範囲内の化合物を図示する。]
[0077] [式中、変数は全て、本明細書で定義した通りである]
上記式(I−i)の化合物の具体的な2実施形態は、式(I−i−a)および(I−i−b)として図示されよう。]
[0078] [式中、変数は全て、本明細書で定義した通りである]
Yが部分(i)であると定義した本発明化合物を最初に考慮して、(R1)aのaが0、1もしくは2である特定の実施形態を定義する。]
[0079] (Yの定義に関わりなく)aが1、2もしくは3である本発明化合物のそうした実施形態では、各R1は、任意の好適な炭素またはヘテロ原子を通じて、フェニルまたは環A1と結合しうる(例えば、N−メチルまたはN−酸化物が得られる)。aが1、2もしくは3のいずれかである、ある実施形態では、 各R1は、同一かもしくは異なり、ハロ、アルキル、ハロアルキル、−OR6、−NR6R7、−CNおよびR5−CN、または任意のそのサブセットから独立して選択されている。具体的一実施形態では、 各R1は、同一かもしくは異なり、F、Cl、アルキルハロアルキルおよび−OR6または任意のそのサブセットから独立して選択される。R1を定義する基の具体例には、それだけには限らないが、toF、Cl、Br、CH3、CF3、CH2CH3、CH(CH3)2、OCH3、OCF3、OCH2CH3、NH2、N(H)アルキル(例えば、N(H)CH3)、およびCNが含まれる。好ましい実施形態の一例では、 各R1は、同一かもしくは異なり、F、Cl、CH3、CF3、OCH3、およびOCF3または任意のそのサブセットから独立して選択されている。好ましい一実施形態では、各R1はFである。]
[0080] Yが部分iである本発明化合物の具体的一実施形態では、aは0であり、従って頭部の末端フェニルは置換されていない。]
[0081] 上記式(I−ii)の化合物の4個の具体的実施形態は、式(I−ii−a)、(I−ii−b)、(I−ii−c)と、(I−ii−d)として図示されよう。]
[0082] [式中、変数は全て、本明細書で定義した通りである]
式(I−ii−a)および(I−ii−c)によって定義する、すなわち、部分iiのW1がOである本発明化合物は、一般的に式(I−ii−b)および(I−ii−d)の化合物よりも好ましい。]
[0083] Yが部分iiである本発明化合物[すなわち、式(I−ii−a)、(I−ii−b)、(I−ii−c)および(I−ii−d)を含む式(I−ii)によって定義する化合物]によって、(R1)aのaが0、1もしくは2である特定の実施形態が定義される。aが0または2である特定の実施形態を定義する。特定の一実施形態では、aは0である。別の特定の実施形態では、aは1である。好ましい実施形態では、aは2である。好ましい一実施形態では、本発明化合物は、式(I−ii−a)によって定義され、aは2である。]
[0084] Yが部分iiであり、aが1、2もしくは3のいずれかである、ある実施形態では、 各R1は、同一かもしくは異なり、ハロ、アルキル、ハロアルキル、−OR6、−NR6R7、−CNおよびR5−CN、または任意のそのサブセットから独立して選択されている。Yが部分iiであり、R1が−OR6(式中、R6はHである)であるような実施形態では、環A1がヘテロアリールある場合、本発明化合物には、ヘテロアリール環A1が、オキソによって置換されている互変異性体が含まれることが理解されよう。具体的一実施形態では、 各R1は、同一かもしくは異なり、F、Cl、アルキルハロアルキルおよび−OR6または任意のそのサブセットから独立して選択されている。R1を定義する基の具体例には、それだけには限らないが、F、Cl、Br、CH3、CF3、CH2CH3、CH(CH3)2、OCH3、OCF3、OCH2CH3、NH2、N(H)アルキル(例えば、N(H)CH3)、およびCNが含まれる。Yが部分iiであり、aが1、2もしくは3である好ましい実施形態の一例では、 各R1は、同一かもしくは異なり、F、Cl、CH3、CF3、OCH3、およびOCF3または任意のそのサブセットから独立して選択されている。好ましい一実施形態では、aは1もしくは2であり、各R1はFである。]
[0085] 部分iiの]
[0086] を本明細書では「環A1」と称する。環A1は、シクロアルキル、フェニル、ならびにN、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有する5〜10員のヘテロアリールから選択される。環A1は、環A1の任意の好適な炭素またはヘテロ原子を通じて、(bが1である場合)メチレン、または−C(W1)−と結合しうる。一実施形態では、環A1は、シクロアルキル、フェニル、ならびにN、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有する5〜6員のヘテロアリールから選択される。具体的一実施形態では、環A1は、C3−6シクロアルキル、フェニル、ならびにN、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有する5〜6員のN−ヘテロアリールから選択される。一実施形態では、環A1は、フェニル、あるいはN、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有する5〜6員のヘテロアリールである。別の特定の実施形態では、環A1は、N、OおよびSから選択した1個の追加のヘテロ原子を任意に有する5〜6員のN−ヘテロアリールである。]
[0087] 環A1を定義する基の具体例には、それだけには限らないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フラニル、チオフェニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、およびベンゾジオキサニル、または任意のそのサブセットが含まれる。一実施形態では、環A1は、シクロヘキシル、フェニル、フラニル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、ピリジニル、ベンゾフラニルおよびベンゾジオキサニル、または任意のそのサブセットから選択される。一実施形態では、環A1は、シクロヘキシル、フェニル、フラニル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、およびピリジニル、または任意のそのサブセットから選択される。具体的一実施形態では、環A1は、シクロヘキシル、シクロプロピル、チオフェニル、ピロリル、フェニル、およびピリジニルまたは任意のそのサブセットから選択される。]
[0088] 特定の一実施形態では、環A1は、シクロヘキシルである。具体的一実施形態では、環A1は、チオフェニルである。別の特定の実施形態では、環A1はピリジニルである。好ましい一実施形態では、環A1はフェニルである。]
[0089] 本発明化合物の特定の一実施形態を式(I−ii−1)によって例示する。]
[0090] [式中、変数は全て、本明細書で定義した通りである]
そのような本発明化合物の好ましい一実施形態は、構造式(I−ii−1)(式中、bは0であり、W1はOであり、両R1はFである)を有する。]
[0091] 別の特定の実施形態には式(I−ii−2)の化合物が含まれる。]
[0092] [式中、変数は全て、先に定義した通りである]
そのような本発明化合物の好ましい一実施形態は、構造式(I−ii−2)(式中、bは0であり、W1はOであり、R1はFである)を有する。]
[0093] 別の特定の実施形態には、式(I−ii−3)の化合物が含まれる。]
[0094] [式中、変数は全て、本明細書で定義した通りである]式(I−ii−3)によって図示する具体的一実施形態では、R1はFである。]
[0095] 本発明化合物の他の特定の実施形態には、以下のものが含まれる。]
[0096] [式中、変数は全て、本明細書で定義した通りである]
Yが部分iiiである本発明化合物を考慮すると、上記式(I−iii)の化合物の4個の具体的実施形態は、式(I−iii−a)、(I−iii−b)、(I−iii−c)および(I−iii−d)として図示しうる。]
[0097] [式中、変数は全て、本明細書で定義した通りである]
式(I−iii−a)と(I−iii−c)によって定義した本発明化合物、すなわち部分iiiのW1がOである本発明化合物は、式(I−iii−b)および(I−iii−d)の化合物よりも一般的に好ましい。式(I−iii−a)と式(I−iii−c)によって定義した本発明化合物間では、式(I−iii−a)の化合物が一般的に好ましい。]
[0098] Yが部分iiiである本発明化合物[すなわち、式(I−iii−a)、(I−iii−b)、(I−iii−c)および(I−iii−d)を含む式(I−iii)によって定義した化合物]については、(R1)aのaが0、1もしくは2である特定の実施形態を定義する。aが0または2である、より特定の実施形態を定義する。特定の一実施形態では、aは0である。別の特定の実施形態では、aは1である。好ましい実施形態では、aは2である。好ましい一実施形態では、式(I−iii−a)によって本発明化合物を定義するが、aは2である。]
[0099] Yが部分iiiであり、aが1、2もしくは3のいずれかである実施形態では、特定であり好ましいR1の実施形態は、Yが部分iiである化合物について先に記載したものと同じものである。]
[0100] 本発明化合物の特定の一実施形態を式(I−iii−1)によって図示する。]
[0101] [式中、変数は全て、本明細書で定義した通りである]
そのような本発明化合物の好ましい一実施形態は、Q2が結合であり、W1がOであり、aが2であり、両R1がFである構造式(I−iii−1)を有する。]
[0102] ここで、全ての本発明化合物[本明細書に記載した全ての式(I)の化合物および下位式を含む]について、本発明化合物では、cは0、1もしくは2である。特定の実施形態では、cは0もしくは1であり、より好ましくは0である。cが0である実施形態では、内側のフェニルは置換されていない。分かりやすくするために、式(I)で(R2)cによって示されているように、任意で置換されているフェニル環を、本明細書ではしばしば「内側フェニル」と呼ぶ。]
[0103] cが1もしくは2であるある実施形態では、各R2は、同一かもしくは異なり、ハロ、アルキル、−OR6、−NR6R7および−CN、または任意のそのサブセットから独立して選択されている。具体的一実施形態では、各R2は、同一かもしくは異なり、ハロ、アルキル、−OR6および−CN、または任意のそのサブセットから独立して選択されている。cが1もしくは2である具体的一実施形態では、各R2は、同一かもしくは異なり、ハロおよびアルキル、より好ましくはハロ、特にFまたはClから独立して選択されている。好ましい実施形態の一例では、各R2は、同一かもしくは異なり、ハロ(特にFまたはCl)、アルキル(特にメチル)、または−O−アルキル(特に−OCH3)、または任意のそのサブセットから独立して選択されている。]
[0104] 好ましい一実施形態では、WがSである本発明化合物を定義する。別の実施形態では、WがOである本発明化合物を定義する。]
[0105] 一実施形態では、R3は、H、アルキル、ハロアルキル、Ph、Het、−R5−OR6、−R5−S(O)fR6、−R5−S(O)2−NR6R7、−NR6R7、−N(R6)シクロアルキル、−N(R6)Het、−N(R6)R5−Het、−N(R6)−R5−OR7、−N(R6)−R5−NR6R7、−N(H)C(O)R6、−N(H)SO2R6、および−N(R6)−R5−S(O)fR7、または任意のそのサブセットから選択される。具体的一実施形態では、R3が、H、アルキル、ハロアルキル、Het、−R5−OR6、−R5−S(O)fR6、−NR6R7、−N(R6)シクロアルキル、−N(R6)Het、−N(R6)R5−Het、−N(R6)−R5−OR7、および−N(R6)−R5−S(O)fR7から選択される式(I)の化合物を定義する。一実施形態では、R3は、H、アルキル、Het、−R5−OR6、−R5−S(O)fR6、−NR6R7、−N(R6)シクロアルキル、−N(R6)Het、−N(R6)R5−Hetおよび−N(R6)−R5−OR7から選択される。一実施形態ではR3はHである。一実施形態ではR3は、−NR6R7、−N(R6)シクロアルキル、または−N(R6)Hetであり、その際、R6は好ましくはHである。一実施形態では、R3は、アルキル、−R5−OR6、および−R5−S(O)fR6から選択される。好ましい実施形態の一例では、R3は、−N(H)アルキル、−N(C1−3アルキル)2または−N(H)C3−6シクロアルキル、または任意のそのサブセットである。好ましい実施形態の別の例では、R3は、アルキル、特に分枝アルキル(特にメチル、エチル、イソプロピル、またはtert−ブチル)である。]
[0106] (R3の定義に使用された)Phは、ハロ、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、O−C1−3アルキル、C1−3アルキレン−O−C1−3アルキル、OH、C1−3アルキレン−OH、NH2、N(H)C1−3アルキル、N(C1−3アルキル)2、CNおよびNO2、または任意のそのサブセットから選択された置換基によって、任意に1、2もしくは3回置換されているフェニルをさす。Phが、2または3個の置換基により置換されている全ての実施形態では、置換基は、同じでも、または異なってよく、前記リストからそれぞれ独立して選択される。]
[0107] Het(R3の定義およびR3を定義する基に使用されるもの、例えば、−R5Het、−N(R6)Hetなど)は、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有し、かつ1、2もしくは3個の置換基によって任意に置換されている4〜6員の複素環をさし、その置換基は、同一かもしくは異なり、かつハロ、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、O−C1−3アルキル、C1−3アルキレン−O−C1−3アルキル、OH、C1−3アルキレン−OH、オキソ、C(O)(C1−3アルキル)、C(O)NH2、C(O)N(C1−3アルキル)2、SO3(H)、SO2(C1−3アルキル)、C1−3アルキレン−SO3(H)、C1−3アルキレン−SO2(C1−3アルキル)、NH2、N(H)C1−3アルキル、N(C1−3アルキル)2、CN、−CH2CN、およびNO2、または任意のそのサブセットからそれぞれ独立して選択される。一実施形態では、R3の定義およびR3を定義する基のHetは、N、OおよびSから選択した1個の追加のヘテロ原子を任意に有し、かつ上記のように任意に置換されている4〜6員のN−複素環である。具体的一実施形態では、Hetは、追加のヘテロ原子を含まず、上記のように任意で1個の置換基を含む4〜6員のN−複素環である。一実施形態では、Hetは、任意に置換されているモルホリニル、ピロリジニル、ピペルジニル(piperdinyl)、アゼチジニル、ピペルジニル(piperzinyl)、チオモルホリニル、または任意のそのサブセットから選択され、その際、任意選択の置換基は上記の通りである。具体的一実施形態では、R3の定義およびR3を定義する基のHetは、ピロリジニルである。具体的一実施形態では、R3は、ピロリジンである。]
[0108] 一実施形態では、dは0もしくは1である。具体的一実施形態では、dは1である。好ましい実施形態では、dは0である。]
[0109] dが1もしくは2である、ある実施形態では、各R4は、同一かもしくは異なり、ハロ、アルキル、−OR6、−NR6R7および−CN、または任意のそのサブセットから独立して選択されている。具体的一実施形態では、各R4は、同一かもしくは異なり、ハロ、アルキル、−OR6および−CN、または任意のそのサブセットから独立して選択されている。具体的一実施形態では、各R4は、同一かもしくは異なり、ハロおよびアルキルから独立して選択され、より好ましくはアルキルである。好ましい実施形態の一例では、各R4はアルキル(特にメチル)である。]
[0110] 式(I)の]
[0111] を本明細書では「環B」と称する。環Bは、フェニル、9〜10員の(特に二環式縮合)アリール、5〜6員のヘテロアリールおよび9〜10員の(特に二環式縮合)ヘテロアリールから選択され、各ヘテロアリールは、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1、2もしくは3個有する。環Bは、環Bの任意の好適な炭素またはヘテロ原子を通じて−N(H)−と結合しうる。環Bを定義する具体的な基には、それだけには限らないが、以下のものが含まれる:
フラニル、チオフェニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ナフチル、ジヒドロナフチル、インデニル、ジヒドロインデニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ベンゾピペリジニル、ベンゾピペラジニル、ベンゾモルホリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾピラニル、クロマン、イソクロマン、ベンゾジオキサニル、およびベンゾジオキソラニル、または任意のそのサブセット。]
[0112] 好ましい実施形態の一例では、環Bはフェニルである。]
[0113] 別の実施形態では、環Bは、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有する5〜6員のヘテロアリールである。好ましい一実施形態では、環Bは、N、OおよびSから選択した1個の追加のヘテロ原子を任意に有する5〜6員のN−ヘテロアリールである。環Bが5〜6員のヘテロアリールである具体例には、フラニル、ピロリル、ピラゾリル、チオフェニル、イソオキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニルおよびピラジニルが含まれる。好ましい実施形態の一具体例では、環Bはピリジニルである。]
[0114] 別の実施形態では、環Bは9〜10員のアリール、特にインデニルまたはナフチルである。]
[0115] 別の実施形態では、環Bは、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1、2もしくは3個、より好ましくはN、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有する9〜10員の二環式縮合ヘテロアリールである。具体的一実施形態では、環Bは、N、OおよびSから選択した1個の追加のヘテロ原子を任意に有する9〜10員の二環式縮合N−ヘテロアリールである。環Bが9〜10員の二環式縮合ヘテロアリールである具体例には、ベンゾピペリジニル、ベンゾモルホリニル、ベンゾフラニルおよびベンゾジオキサニルが含まれる。特定の実施形態の一具体例では、環Bはベンゾピペリジニルまたはベンゾモルホリニルである。]
[0116] 置換基Zは、環Bの任意の利用可能な炭素またはヘテロ原子を通じて環Bと結合しうる。しかし、通常の技術を有する有機化学者が、明らかに不安定もしくは操作不能と考えるであろう実施形態を回避するために、環Bの定義に照らして、部分Zは定義されると理解すべきである。例えば、環Bがヘテロアリールであり、eが0ではなく、Zが環Bのヘテロ原子に結合しているような実施形態では、次いでZは、環Bのヘテロ原子と結合するのに好適な炭素またはヘテロ原子を介して環Bと結合する部分として定義される。従って例えば、環Bがヘテロアリールであり、Zが環BのNと結合する場合、Zは、環BのNと結合できる部分として定義され、従ってそのような実施形態では、Zは、例えばハロではないであろう。環BのNと結合するのに好適なZ部分は、当業者には明らかであり、それだけには限らないが、H、アルキル(例えば、N−メチル)およびオキソ(例えば、N−オキシド)が含まれる。]
[0117] 環Bが、フェニルおよび5〜6員のヘテロアリールから選択される場合、eは0、1、2もしくは3である。eが0である場合、環Bは置換されていない。環Bがフェニルまたは5〜6員のヘテロアリールである一実施形態では、eは1、2もしくは3である。環Bがフェニルである実施形態では、eは一般的に1、2もしくは3であり、より好ましくは1もしくは2、最も好ましくは2である。環Bが、ピリジニルなどの5〜6員のヘテロアリールである実施形態では、eは特に1もしくは2、より好ましくは1である。]
[0118] 環Bが、フェニルまたは5〜6員のヘテロアリールであり、eが1、2もしくは3である実施形態では、各Zは、同一かもしくは異なり、以下のものから独立して選択されている:
ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、Het2、−R5Het2、Het3−Het2、オキソ、−OR6、−R5−OR6、−O−R5−OR6、−OHet2、−O−R5−Het2、−O−R5−NR6R7、−O−R5−S(O)2R6、−C(O)NR6R7、−R5−C(O)NR6R7、−CO2R6、−R5−CO2R6、−S(O)fR6(例えば、−S(O)2R6)、−R5−S(O)2R6、−S(O)fHet2、−R5−S(O)2Het2、−S(O)2NR6R7、−R5−S(O)2NR6R7、−S(O)2−R5−NR6R7、−NR6R7、−R5−NR6R7、−N(R6)Het2、−N(R6)−R5シクロアルキル、−N(R6)−R5−Het2、−N(R6)−R5−OR7、−N(R6)−R5−S(O)fR7、−N(R6)−R5−CN、−N(R6)−R5−NR6R7、−N(H)S(O)2R6、−N(R6)−C(O)−NR6R7、−N(R6)−S(O)2−NR6R7、−CN、−R5−CNおよび−NO2。]
[0119] 一実施形態では、各Zは、同一かもしくは異なり、以下のものから独立して選択されている:
ハロ、アルキル、ハロアルキル、Het2、−R5Het2、Het3−Het2、オキソ、−OR6、−R5−OR6、−O−R5−OR6、−OHet2、−O−R5−Het2、−O−R5−NR6R7、−S(O)fR6(例えば、−S(O)2R6)、−R5−S(O)2R6、−R5−S(O)2Het2、−S(O)2NR6R7、−R5−S(O)2NR6R7、−NR6R7、−R5−NR6R7、−N(R6)Het2、−N(R6)−R5−OR7、−N(R6)−R5−S(O)fR7、−N(R6)−R5−NR6R7、−CN、および−R5−CN、または任意のそのサブセット。]
[0120] この特定の実施形態のHet2およびHet3は、それぞれ任意に置換されている。]
[0121] 具体的一実施形態では、各Zは、同一かもしくは異なり、以下のものから独立して選択されている:
ハロ、アルキル、ハロアルキル、Het2、−R5Het2、Het3−Het2、オキソ、−OR6、−O−R5−OR6、−OHet2、−O−R5−Het2、−O−R5−NR6R7、−R5−S(O)2R6、−R5−S(O)2NR6R7、−NR6R7、−R5−NR6R7、−N(R6)−R5−NR6R7、および−CN、または任意のそのサブセット。]
[0122] この特定の実施形態のHet2およびHet3は、それぞれ任意に置換されている。]
[0123] eが2である具体的一実施形態では、1個のZはメタ位にあってハロ、特にFである。図について、以下の実施例は、メタ位に結合した1個のZ基を示すが、その際、環Bがフェニルであり、e’が1であり、残りのZ基と他の変数は全て、本明細書で定義した通りである。]
[0124] 以下のように環Bがピリジニルである場合、実施形態をさらに図示しうる。]
[0125] [式中、e’が1であり、残りのZ基および他の変数は全て、本明細書で定義した通りである]
環Bがフェニルであり、eが1である別の特定の実施形態では、Zは以下に図示するようにメタ位にある。]
[0126] 環Bがピリジニルであり、eが1である特定の実施形態では、Zは以下に図示するようにパラ位にある。]
[0127] 具体的一実施形態では、環Bは、フェニル、あるいはN、OおよびSから選択したヘテロ原子を1、2、または3個有する5〜6員のヘテロアリールであり、eは1、2もしくは3、特に1もしくは2であり、各Zは、同一かもしくは異なり、かつハロ、アルキル、Het2、−R5−Het2、オキソ、−OR6、−OHet2、−O−R5−Het2および−O−R5−NR6R7、または任意のそのサブセットから独立して選択されている。この実施形態のHet2およびHet3は、任意に置換されている。]
[0128] 環Bがフェニルである一実施形態では、eは2であり、1個のZはハロであり、他方のZは−OHet2、−O−R5−Het2および−O−R5−NR6R7から選択される。この実施形態のHet2は、任意に置換されている。この実施形態の特定の一変形では、ハロはメタ位にあり、残りのZはパラ位にある。]
[0129] 環Bがフェニルである一実施形態では、eは2であり、1個のZはFであり、他方のZはHet2である。この実施形態のHet2は、任意に置換されている。この実施形態の一具体例は、以下のように図示しうる。]
[0130] [式中、この例のHet2は、置換ピペラジンであり、全ての変数は本明細書で定義した通りである]
環Bがフェニルである一実施形態では、eは2であり、1個のZはFであり、他方のZは−O−R5−Het2または−O−R5−NR6R7である。この実施形態のHet2は、任意に置換されている。これらの実施形態のそれぞれの一具体例は、以下のように図示しうる。]
[0131] [式中、図示した例のHet2は、非置換ピロリジンであり、全ての変数は本明細書で定義した通りである]
環Bがフェニルである一実施形態では、eは1であり、Zは−R5−Het2である。この実施形態のHet2は、任意に置換されている。この実施形態の一具体例は以下のように図示しうる。]
[0132] [式中、図示した例のHet2は、非置換ピロリジンであり、全ての変数は本明細書で定義した通りである]
環Bが5〜6員のヘテロアリール(例えば、ピリジニル)である一実施形態では、eは1であり、ZはHet2である。この実施形態のHet2は、任意に置換されている。この実施形態の一例は、以下のように図示しうる。]
[0133] [式中、図示した例のHet2は、非置換モルホリンであり、全ての変数は本明細書で定義した通りである]
環Bが5〜6員のヘテロアリール(例えば、ピリジニル)である一実施形態では、eは1であり、Zは、Het2、−O−R5−OR6、−OHet2、−O−R5−Het2、−O−R5−NR6R7から選択される。この実施形態のHet2は、任意に置換されている。環Bが5〜6員のヘテロアリール(例えば、ピリジニル)である一実施形態では、eは1であり、ZはHet2または−O−R5−Het2(式中、Het2は、任意に置換されている)である。]
[0134] 環Bが、9〜10員のアリールまたはヘテロアリール(典型的には二環式縮合アリールまたはヘテロアリール)である場合、eは0、1もしくは2であり、各Zは、同一かもしくは異なり、ハロ、アルキル、オキソ、−OR6および−NR6R7から独立して選択されている。環Bが、二環式縮合9〜10員のアリールまたはヘテロアリールである一実施形態では、eは0もしくは1である。具体的一実施形態では、eは0であり、従って環Bは置換されていない。一実施形態では、環Bは、9〜10員の二環式縮合アリールまたはヘテロアリールであり、eは1であり、Zはハロ、C1−3アルキル、オキソまたは−OC1−3アルキルである。環Bが、9〜10員の二環式縮合アリールまたはヘテロアリールである一実施形態では、eは1であり、Zは、アルキルおよびオキソ、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、N−メチル、N−エチル、オキソおよびN−オキシドから選択される。]
[0135] 以下は、Zを定義する基の具体例のリストである。以下の具体例では、R5は、C1−4アルキレンであるが、下のある例では、不安定な種を回避するために、R5は、C2−4アルキレンであると理解すべきことは認めてもらえるであろう。Zを定義する基の具体例には、それだけには限らないが、以下のものが含まれる:
ハロ(例えば、FまたはCl)、
アルキル(例えば、CH3)、
ハロアルキル(例えば、CF3)、
Het2(例えば、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有する、5〜6員の複素環または5〜6員のヘテロアリール、およびその置換変形体)
R5−Het2(例えば、アルキル−モルホリン、アルキル−ピペリジン、アルキル−ピロリジン、およびその置換変形体)、
Het3−Het2(例えば、ピペルジニル(piperdinyl)−ピペリジンおよびその置換変形体)、
オキソ(例えば、N−オキシド、カルボニルまたはスルホニル)、
OR6(例えば、OH、OCH3)、
R5−OR6(、例えば、(CH2)2−OCH3)、
O−R5−OR6(例えば、O−(CH2)2−OCH3)、
OHet2(例えば、O−ピペリジン、O−ピロリジンおよびその置換変形体)
O−R5−Het2(例えば、O−(CH2)2−モルホリン、O−(CH2)2−ピロリジン、O−(CH2)2−ピペリジンおよびその置換変形体)、
O−R5−NR6R7(例えば、O−(CH2)2−NH2、O−(CH2)2−N(H)CH3、
O−(CH2)2−N(CH3)2、O−(CH2)2−N(CH2CH3)2、O−(CH2)3−NH2、
O−(CH2)3−N(H)CH3、O−(CH2)3−N(CH3)2、O−(CH2)3−N(CH2CH3)2、
O−CH2CH(CH3)−NH2、O−CH2CH(CH3)−N(H)CH3、O−CH2CH(CH3)−N(CH3)2、
O−CH2CH(CH3)−N(CH2CH3)2、
C(O)NR6R7(例えば、C(O)NH2)、
S(O)fR6、特にSO2R6(例えば、SO2CH3、SO2CH2CH3)、
R5−SO2R6(例えば、CH2−SO2CH3、CH2−SO2CH2CH3、(CH2)2−SO2CH3および
(CH2)2−SO2CH2CH3)、
SO2NR6R7(例えば、SO2NH2、SO2N(H)CH3)
R5−SO2NR6R7(、例えば、(CH2)2−SO2NH2)、
R5−NR6R7(例えば、−(CH2)3−N(CH3)2)、
N(H)Het2(例えば、N(H)−ピペリジン、N(H)−ピペラジンおよびその置換変形体)、
N(H)−R5−Het2(例えば、NH−(CH2)3−ピペラジン−N−メチル)、
N(CH3)−R5−OR7(例えば、N(CH3)−(CH2)3−OCH3)、
N(H)−R5−NR6R7(例えば、NH−(CH2)3−N(CH3)2)、
N(CH3)−R5−NR6R7(例えば、N(CH3)−(CH2)3−N(CH3)2)、CN、およびR5−CN(、例えば、(CH2)2CN)、
あるいは任意のそのサブセット。]
[0136] Zの定義では、各Het2は、同一かもしくは異なり、かつ独立して複素環ヘテロアリール(heterocycle heteroaryl)であり、前記複素環またはヘテロアリールは、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有し、かつ1、2もしくは3個の置換基によって任意に置換されており、その置換基は以下のものから選択されている:
ハロ、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、O−C1−3アルキル、C1−3アルキレン−O−C1−3アルキル、OH、C1−3アルキレン−OH、オキソ、C(O)(C1−3アルキル)、C(O)2−C1−3アルキル、C(O)−(C1−3アルキレン)−O(C1−3アルキル)、C(O)2−ベンジル、SO3H、SO2(C1−3アルキル)、C1−3アルキレン−SO3H、C1−3アルキレン−SO2(C1−3アルキル)、NH2、N(H)C1−3アルキル、N(C1−3アルキル)2、CNおよびC1−3アルキレン−CN。]
[0137] Het2には、4〜10員の複素環、および7〜12員のスピロ系を含むスピロ系が含まれるが、その際、複素環およびスピロ系は、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1、2、または3個を含む。一実施形態では、Het2は7〜12員のスピロ系ではない。Het2が、2または3個の置換基で置換されている全ての実施形態では、その置換基は、同一かもしくは異なり、かつ前記リストからそれぞれ独立して選択される。]
[0138] 一実施形態では、Het2は、独立して複素環または5〜6員のヘテロアリールであり、前記複素環またはヘテロアリールは、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有し、かつ前記リストから選択した置換基によって1、2もしくは3回任意に置換されている。]
[0139] 具体的一実施形態では、Het2は、独立して、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有し、かつ前記リストから選択した置換基によって1、2もしくは3回任意に置換されている複素環である。]
[0140] 一実施形態では、Het2は、独立して、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有し、かつ前記リストから選択した置換基によって1、2もしくは3回任意に置換されている5〜6員のヘテロアリールである。]
[0141] さらに一個の特定の実施形態では、Het2は、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有し、かつ先に定義した置換基によって1、2もしくは3回任意に置換されている5〜6員の複素環である。]
[0142] 具体的一実施形態では、Het2は、N、OおよびSから選択した1個の追加のヘテロ原子を任意に有し、かつ先に定義した置換基によって1もしくは2回任意に置換されている5〜6員のN−複素環である。]
[0143] 本発明のある実施形態では、基Het2は、置換されていない。Het2が置換されているような実施形態では、その置換基が以下のものから選択されている特定の実施形態を定義する:
C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、O−C1−3アルキル、C1−3アルキレン−OH、オキソ、C(O)(C1−3アルキル)、C(O)2−C1−3アルキル、C(O)−(C1−3アルキレン)−O(C1−3アルキル)、C1−3アルキレン−SO3(H)、C1−3アルキレン−SO2(C1−3アルキル)、NH2、N(H)C1−3アルキル、N(C1−3アルキル)2、およびC1−3アルキレン−CN、または任意のそのサブセット。]
[0144] より特定の実施形態では、Het2の任意選択の置換基は、以下のものから選択される:
C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、O−C1−3アルキル、C1−3アルキレン−OH、オキソ、C(O)(C1−3アルキル)、C1−3アルキレン−SO3(H)、C1−3アルキレン−SO2(C1−3アルキル)およびC1−3アルキレン−CN、または任意のそのサブセット。]
[0145] Zの定義内のHet2を定義する基の具体例には、それだけには限らないが、]
[0146] または任意のそのサブセットが含まれる。]
[0147] Zの定義のHet3は、基Het3−Het2に使用される。Het3は、4〜7員の複素環または5〜7員のヘテロアリールであり、前記複素環またはヘテロアリールは、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有し、かつハロ、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキルおよびO−C1−3アルキルから選択した1もしくは2個の置換基によって任意に置換されている。Het3の置換基への言及は、Het2に追加される任意選択の置換基をさすことは理解されるものとする。Het3が、2個の置換基で置換されている全ての実施形態では、その置換基は、同一かもしくは異なり、かつ前記リストからそれぞれ独立して選択される。]
[0148] 一実施形態では、Het3は、5〜6員の複素環または5〜6員のヘテロアリールであり、前記複素環またはヘテロアリールは、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有し、かつHet2に加えて、ハロ、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキルまたはO−C1−3アルキルによって1もしくは2回任意に置換されている。]
[0149] より具体的には、一実施形態では、Zの定義のHet3は、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有し、かつHet2に追加して、前記リストから選択した置換基によって1もしくは2回任意に置換されている5〜6員の複素環である。]
[0150] 本発明の一実施形態では、Zの定義のHet3は、Het2を除き置換されていない。]
[0151] 一実施形態では、R6およびR7が、同一かもしくは異なり、かつH、C1−3アルキルおよびハロC1−3アルキル、または任意のそのサブセットからそれぞれ独立して選択されている本発明化合物を定義する。]
[0152] 本発明には、本明細書で先に定義した特定の基の全ての組合せおよびサブセットが含まれることは理解されよう。]
[0153] 本発明化合物の具体例には、以下の実施例に列挙した化合物、ならびに遊離塩基および遊離塩基バージョンとして例示した化合物の製薬上許容される塩、ならびに塩として例示した化合物の他の製薬上許容される塩が含まれる。]
[0154] 本発明の好ましい化合物は、以下のものから選択される:
N−{3−[2−アミノ−5−(2−{[3−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−4−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}−4−ピリミジニル)−1,3−チアゾール−4−イル]フェニル}−2,6−ジフルオロ−N−メチルベンズアミド、
N−(3−{2−アミノ−5−[2−({3−クロロ−4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]−フェニル}アミノ)ピリミジン−4−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}フェニル)−2,6−ジフルオロベンズアミド−ギ酸
N−[3−(2−アミノ−5−{2−[(3,4,5−トリメトキシフェニル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、
N−[3−(2−(ジメチルアミノ)−5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、
2,6−ジフルオロ−N−{3−[5−(2−{[4−(メチルオキシ)−3−(4−メチル−1−ピペラジニル)フェニル]アミノ}−4−ピリミジニル)−1,3−チアゾール−4−イル]フェニル}ベンズアミド、
N−[3−(5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−3−フルオロフェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、および
N−[3−(5−{2−[(3−クロロ−4−{[2−(1−ピロリジニル)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、
および製薬上許容されるその塩。]
[0155] 特定の本発明の好ましい化合物には、それだけには限らないが、以下のものが含まれる:
N−[3−(2−(ジメチルアミノ)−5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、および
N−[3−(5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−3−フルオロフェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、
および製薬上許容されるその塩。]
[0156] 式(I)の化合物は、製薬上許容されるその塩として使用できることは当業者なら理解されよう。式の(1)の化合物の製薬上許容される塩には、製薬上許容される(すなわち無毒の)無機もしくは有機酸または塩基から形成した従来の塩および四級アンモニウム塩が含まれる。代表的な塩には、以下のものが含まれる:酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩(estolate)、エシル酸塩(esylate)、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレソルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩(メタンスルホン酸塩)、臭化メチル、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、モノカリウムマレイン酸塩、ムコ酸塩、ナプシル酸塩(napsylate)、硝酸塩、N−メチルグルカミン、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、カリウム、サリチル酸塩、ナトリウム、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩(subacetate)、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩(メチルベンゼンスルホン酸塩)、トリエチオジド(triethiodide)、トリメチルアンモニウムおよび吉草酸塩。それ自体は製薬上許容されないシュウ酸体(oxalic)など他の塩は、本発明化合物を得る際の中間体として有用な塩の調製で有用である可能性があり、これらの本発明の別の態様を形成する。一実施形態では、式(I)の化合物は、モノ−およびジ−塩酸塩を含む塩酸塩の形をとる。]
[0157] 式(I)の化合物などの化合物の製薬上許容される塩を調製する方法は、当技術分野で通常のことである。例えば、Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery第5版,第1巻: Principles and Practiceを参照されたい。]
[0158] 当業者には明らかなように、式(I)の化合物を調製する下記の方法では、ある種の中間体は、化合物の製薬上許容される塩の形であってよい。中間体の製薬上許容される塩を調製する方法は、当技術分野で公知であり、式(I)の化合物など、他の化合物の製薬上許容される塩を調製する方法に類似する。]
[0159] 本発明化合物は、1種もしくは複数のキナーゼ、特に1種もしくは複数のRafファミリーキナーゼ(「Raf阻害薬」)および/またはErbBファミリーキナーゼ(すなわち、EGFR、ErbB2およびErbB4(「ErbB阻害薬」)を阻害すると考えられている。本発明化合物は、1種もしくは複数の他のキナーゼ、および特に他のチロシンキナーゼをも阻害しうる。本発明のある種の化合物は、B−Raf(B−Raf阻害薬」)を阻害しうる。本発明のある種の化合物は、ErbB2(「ErbB2阻害薬」)を阻害しうる。本発明化合物は、RafファミリーキナーゼまたはErbBファミリーキナーゼの阻害薬である可能性があり、またはある場合には両方を阻害しうる。B−Raf阻害薬を含むRaf阻害薬、およびErbB2阻害薬を含むErbB阻害薬は、抗癌および抗腫瘍薬として有用と考えられることは十分に実証されている。例えば、上掲Davies (2002)、上掲Garnett (2004)、上掲Zebisch (2006)、上掲Normanno (2005)および上掲Hynes (2005)を参照されたい。これらのキナーゼ阻害薬の抗癌および抗腫瘍効果は、現在、1種もしくは複数のRafファミリーキナーゼおよび/またはErbBファミリーキナーゼの阻害と、細胞系の増殖および/または生存度が、Rafおよび/またはErbBファミリーキナーゼのキナーゼ活性に依存する細胞系に対するそのような阻害効果とによってもたらされると考えられいる。]
[0160] いくつかの本発明化合物は、Rafファミリーキナーゼ(「選択的Raf阻害薬」)の選択的阻害薬であってよく、1種もしくは複数のRafファミリーキナーゼの優先的阻害が、任意の数の他のキナーゼの優先的阻害よりも著しく大きい、例えば5倍またはそれ以上大きいことを意味する。本発明のある種の化合物は、ErbBファミリーキナーゼ(「選択的ErbB阻害薬」)の選択的阻害薬であってよく、1種もしくは複数のErbBファミリーキナーゼの優先的阻害が、任意の数の他のキナーゼの優先的阻害よりも著しく大きい、例えば5倍またはそれ以上大きいことを意味する。本発明のさらに他の化合物は、他のキナーゼよりも、RafファミリーキナーゼおよびErbBファミリーキナーゼを選択的に阻害し(「選択的二重Raf/ErbB阻害薬」)、1種もしくは複数のRafファミリーキナーゼおよび1種もしくは複数のErbBファミリーキナーゼの阻害が、任意の数の他のキナーゼの阻害よりも、それぞれ著しく大きい、例えば5倍またはそれ以上大きいことを意味する。]
[0161] しかし、本発明は、Rafファミリーキナーゼおよび/またはErbBファミリーキナーゼの片方もしくは両方の選択的阻害薬である化合物に限定されず、むしろ明らかに本発明は、本発明のある種の化合物が、RafファミリーキナーゼおよびErbBファミリーキナーゼ以外のキナーゼを含む複数のキナーゼに対して活性を有することを企図している。例えば、特定の本発明化合物は、それだけには限らないが、IGFR、IR、IRR、Src、VEGFR、PDGFR、Met、Lyn、Lck、Alk5、オーロラAおよびB、JNK、Syk、p38、BTK、FAK、Abl、Ack1、Arg、BLK、CAMK1δ、CDK6、CK1、cKit、CSK、DDR2、エフリン受容体、FGFR、Flt3、Fms、Fyn、Hck、HIPK2、Itk、ミンク、Mnk2、PAK3、PKCμ、PKD2、PTK5、Ret、Ron、SIK、Tie2、TrkB、Yesを含む複数の他のキナーゼに対しても活性を保持しうる。特定の本発明化合物は、非選択的(unselective)または非選択的(non-selective)とみなすことができ、それらが、他のものよりも任意の特定のキナーゼに対して選択的であるとはみなされないことを意味する。]
[0162] 本明細書で使用する限り、Raf阻害薬は、下記Raf阻害酵素アッセイの1種もしくは複数で、少なくとも一種のRafファミリーキナーゼに対して、約6を超えるpIC50を示し、かつ/または下記細胞増殖アッセイの1種もしくは複数で、変異したB−Rafキナーゼ(例えば、A375P、Colo205、HT−29、SK−MEL−3、SK−MEL−28)を発現する一細胞系に対して、約5μMを超えない作用強度のIC50を示す化合物である。特定の実施形態では、Raf阻害薬は、下記Raf阻害酵素アッセイの1種もしくは複数で、少なくとも一種のRafファミリーキナーゼに対して約6.5を超えるpIC50を示し、かつ下記細胞増殖アッセイの1種もしくは複数で、変異したB−Rafキナーゼを発現する少なくとも一細胞系に対して、約500nMを超えない作用強度のIC50示す本発明化合物をさす。]
[0163] ErbB阻害薬は、下記ErbB阻害酵素アッセイの1個もしくは複数で、少なくとも一種のErbBファミリーキナーゼに対して、約6を超えるpIC50を示し、かつ/または下記細胞増殖アッセイの1種もしくは複数で、少なくとも一種のErbBファミリーキナーゼを過剰発現させる、少なくとも一細胞系(例えば、BT474 またはBT474)に対して、約5μMを超えない作用強度のIC50を示す化合物である。同様に、具体的一実施形態では、ErbB阻害薬は、下記ErbB阻害酵素アッセイの1個もしくは複数で、少なくとも一種のErbBファミリーキナーゼに対して、約6.5を超えるpIC50を示し、かつ/または下記細胞増殖アッセイの1種もしくは複数で、少なくとも一種のErbBファミリーキナーゼを過剰発現させる少なくとも一細胞系に対して、約500nMを超えない作用強度のIC50示す本発明化合物である。]
[0164] 「二重Raf/ErbB阻害薬」は、下記酵素阻害アッセイの1種もしくは複数で、少なくとも一種のErbBファミリーキナーゼ、および少なくとも一種のRafファミリーキナーゼに対して、約6を超えるpIC50を示し、ならびに下記細胞増殖アッセイの1種もしくは複数で、少なくとも一種のErbBファミリーキナーゼを過剰発現させる少なくとも一細胞系に対して、約5μMを超えない作用強度のIC50、および下記細胞増殖アッセイの1種もしくは複数で、変異したB−Rafキナーゼを発現する少なくとも一細胞系に対して約5μMを超えない作用強度のIC50示す本発明化合物をさす。一実施形態では、「二重Raf/ErbB阻害薬」は、少なくとも一種のErbBファミリーキナーゼ、および下記酵素阻害アッセイの1種もしくは複数で、少なくとも一種のRafファミリーキナーゼに対して、約6.5を超えるpIC50を示し、かつ下記細胞増殖アッセイの1種もしくは複数で、少なくとも一種のErbBファミリーキナーゼを過剰発現させる少なくとも一細胞系に対して、約500nMを超えない作用強度のIC50を示し、かつ下記細胞増殖アッセイの1種もしくは複数で、変異したB−Rafキナーゼを発現する少なくとも一細胞系に対して、約500nMを超えない作用強度のIC50を示す本発明化合物をさす。]
[0165] 「B−Raf阻害薬」は、下記Raf阻害酵素アッセイの1種もしくは複数でB−Rafに対して、約6.5を超えるpIC50を示し、かつ下記細胞増殖アッセイの1種もしくは複数で、変異したB−Rafキナーゼを発現する少なくとも一細胞系に対して、500nMを超えない作用強度のIC50を示す本発明化合物をさす。「ErbB2阻害薬」は、下記ErbB阻害酵素アッセイの1個もしくは複数で、少なくとも一種のErbBファミリーキナーゼに対して、約6.5を超えるpIC50を示し、かつ/または下記細胞増殖アッセイの1種もしくは複数で、少なくとも一種のErbBファミリーキナーゼを過剰発現させる少なくとも一細胞系(例えば、ErbB2)に対して、約500nMを超えない作用強度のIC50を示す本発明化合物をさす。「二重B−Raf/ErbB2阻害薬」は、少なくとも一種のErbBファミリーキナーゼ、および下記酵素阻害アッセイの1種もしくは複数でB−Rafに対して、約6.5を超えるpIC50を示し、かつ下記細胞増殖アッセイの1種もしくは複数で、少なくとも一種のErbBファミリーキナーゼを過剰発現させる少なくとも一細胞系(例えば、ErbB2)に対して、約500nMを超えない作用強度のIC50を示し、かつ下記細胞増殖アッセイの1種もしくは複数で、変異したB−Rafキナーゼを発現する少なくとも一細胞系に対して約500nMを超えない作用強度のIC50を示す本発明化合物をさす。]
[0166] 本発明は、それを必要とする哺乳動物、例えばヒトにおいて、医療で使用するための化合物を提供する。本発明は、それを必要とする哺乳動物で数種の状態を治療する方法を提供し、その方法の全てが、本発明化合物の治療有効量を投与するステップを含む。本明細書に記載の方法は全て、哺乳動物、特にヒトに適用される。本明細書で使用する場合、治療法と関連して「治療(treatment)」または「治療(treating)」という用語は、既に罹患している対象において、明記した状態の緩和;状態の症状の除去または低減;状態の進行、侵襲、もしくは転移性伝播の緩徐または除去;および状態の再発の予防もしくは遅延をさす。本発明は、さらに、それを必要とする哺乳動物(例えばヒト)で、数種の状態を治療する薬物を調製するための本発明化合物の使用を提供する。]
[0167] 特に、本発明は、それを必要とする哺乳動物で、少なくとも一種のRafファミリーキナーゼ(例えば、B−Raf)または少なくとも一種のErbBファミリーキナーゼが介在する状態の治療に使用する化合物を提供する。本発明は、それを必要とする哺乳動物(例えばヒト)において、少なくとも一種のRafファミリーキナーゼ(例えば、B−Raf)または少なくとも一種のErbBファミリーキナーゼが介在する状態の治療方法であって、本発明化合物の治療有効量を哺乳動物に投与するステップを含む方法を提供する。]
[0168] 別の実施形態では、本発明は、哺乳動物において1種もしくは複数のRafファミリーキナーゼ(例えば、B−Raf)の調節、調整、結合または阻害に使用する化合物、ならびに哺乳動物において1種もしくは複数のErbBファミリーキナーゼ(例えば、ErbB2)の調節、調整、結合または阻害に使用する化合物を提供する。本発明は、哺乳動物において少なくとも一種のRafファミリーキナーゼ(例えば、B−Raf)を調節、調節、結合、または阻害する方法、ならびに哺乳動物において少なくとも一種のErbBファミリーキナーゼ(例えば、ErbB2)を調節、調節、結合、または阻害する方法であって、それぞれが、本発明化合物の治療有効量を投与するステップを含む方法も提供する。「少なくとも一種のRafファミリーキナーゼを調節、調整、結合または阻害すること」は、細胞のシグナル伝達能の作用強度を阻害するために、少なくとも一種のRafファミリーキナーゼの活性を調節、調整、結合または阻害すること、ならびに少なくとも一種のRafファミリーキナーゼの上流制御因子の過剰発現を調節、調整、結合または阻害することをさす。「少なくとも一種のErbBファミリーキナーゼを調節、調整、結合または阻害すること」は、細胞のシグナル伝達能の作用強度を阻害するために、少なくとも一種のErbBファミリーキナーゼの活性を調節、調整、結合または阻害すること、ならびに少なくとも一種のErbBファミリーキナーゼの上流制御因子の過剰発現を調節、調整、結合または阻害することをさす。]
[0169] 特定の実施形態では、本発明は、哺乳動物において、1種もしくは複数のRafファミリーキナーゼ(例えば、B−Raf)、または1種もしくは複数のRafファミリーキナーゼの上流アクチベーターの不適切な活性、あるいは1種もしくは複数のErbBファミリーキナーゼ、または1種もしくは複数のErbBファミリーキナーゼの上流アクチベーター不適切な活性が介在する状態の治療に使用する化合物を提供する。本発明はさらに、それを必要とする哺乳動物で、1種もしくは複数のRafファミリーキナーゼ(特にB−Raf)またはErbBファミリーキナーゼ(特にErbB2)の不適切な活性が介在する状態を治療する方法であって、本発明化合物の治療有効量を哺乳動物に投与するステップを含む方法を提供する。追加の態様では、本発明は、哺乳動物において、1種もしくは複数のRafファミリーキナーゼ(特にB−Raf)またはErbBファミリーキナーゼ(特にErbB2)の不適切な活性が介在する状態を治療する薬物を調製するための本発明化合物の使用を提供する。1種もしくは複数のRafファミリーキナーゼまたはErbBファミリーキナーゼの不適切な活性が介在する状態の一例には、新生物が含まれる。]
[0170] 「不適切な活性」は、特定の哺乳動物で、RafファミリーキナーゼまたはErbBファミリーキナーゼの活性であって、そのキナーゼまたはそのキナーゼの上流アクチベーターの予想される活性から外れている活性を意味する。Rafファミリーキナーゼの不適切な活性は、A−Raf、B−Rafまたはc−Rafの1個もしくは複数、あるいはRafファミリーキナーゼの上流アクチベーターから生じうる。ErbBファミリーキナーゼの不適切な活性は、EGFR、ErbB2またはErbB4の1個もしくは複数、あるいはErbBファミリーキナーゼの上流アクチベーターから生じうる。不適切なRafファミリーキナーゼまたはErbBファミリーキナーゼ活性は、例えば、活性の異常な上昇、あるいは、それぞれ、RafもしくはErbBファミリーキナーゼ活性のタイミングおよび/または制御異常という形を取りうる。そのような不適切な活性は、例えば、タンパク質キナーゼ、上流アクチベーター、受容体またはリガンドの過剰発現または変異から生じる可能性があり、その対応するキナーゼまたは受容体の、不適切または無制御な活性化につながる。さらに、望ましくないRafファミリーキナーゼまたはErbBファミリーキナーゼ活性が、新生物などの異常な供給源に存在する可能性も考えられる。従って、活性が、それだけには限らないが、上流アクチベーター(例えば、活性化した変形体RasGTP加水分解酵素)または新生物を含む異常な供給源に由来する場合、RafファミリーキナーゼまたはErbBファミリーキナーゼ活性のレベルを不適切と考えるような異常である必要はない。Rafファミリーキナーゼの変異または過剰発現の結果により生じたものではない不適切なRafファミリー活性の一例では、Ras GTP加水分解酵素の不適切な活性が、前記Ras GTP加水分解酵素の変異または過剰発現から生じること、例えばKRas2中のG13D変異から生じることがあり、その不適切な活性は、Rafファミリー活性が介在するMAPK経路を過剰に活性化させうる。]
[0171] 従って、一実施形態では、本発明は、それを必要とする哺乳動物で、1種もしくは複数のRafもしくはErbBファミリーキナーゼ(特にB−RafまたはErbB2)の変異、または1種もしくは複数のRafもしくはErbBファミリーキナーゼ(特にB−RafまたはErbB2)の過剰発現、あるいは1種もしくは複数のRafもしくはErbBファミリーキナーゼの上流アクチベーターの変異、または1種もしくは複数のRafもしくはErbBファミリーキナーゼの上流アクチベーターの過剰発現により、直接的もしくは間接的に生じる状態の治療に使用する化合物を提供する。本発明は、それを必要とする哺乳動物で、RafもしくはErbBファミリーキナーゼの変異、またはRafもしくはErbBファミリーキナーゼの過剰発現、あるいはRafもしくはErbBファミリーキナーゼの上流アクチベーターの変異、またはRafもしくはErbBファミリーキナーゼの上流アクチベーターの過剰発現により直接的もしくは間接的に生じる状態を治療する方法であって、哺乳動物に本発明化合物の治療有効量を投与するステップを含む方法を提供する。追加の態様では、本発明は、哺乳動物において、RafもしくはErbBファミリーキナーゼの変異、またはRafもしくはErbBファミリーキナーゼの過剰発現、あるいはRafもしくはErbBファミリーキナーゼの上流アクチベーターの変異、またはRafもしくはErbBファミリーキナーゼの上流アクチベーターの過剰発現により直接的もしくは間接的に生じる状態を治療する薬物を調製するための本発明化合物の使用を提供する。RafもしくはErbBファミリーキナーゼの変異、RafもしくはErbBファミリーキナーゼの過剰発現、あるいはRafもしくはErbBファミリーキナーゼの上流アクチベーターの変異またはRafもしくはErbBファミリーキナーゼの上流アクチベーターの過剰発現により直接的もしくは間接的に生じるような状態を含む、少なくとも一種のRafファミリーキナーゼが介在する状態、および少なくとも一種のErbBファミリーキナーゼが介在する状態、ならびに特に、1つまたは(one or)RafもしくはErbBファミリーキナーゼの不適切な活性が介在する状態は、当技術分野で公知であり、それだけには限らないが新生物が含まれる。]
[0172] 本発明化合物は、Rafファミリーキナーゼ(特にB−Raf)の阻害、またはErbBファミリーキナーゼ(特にErbB2)の阻害により減弱した状態の治療にも使用してよい。さらに、それを必要とする哺乳動物で、Rafファミリーキナーゼ(特にB−Raf)の阻害、またはErbBファミリーキナーゼ(特にErbB2)の阻害により減弱した状態を治療する方法であって、哺乳動物に本発明化合物の治療有効量を投与するステップを含む方法も提供する。哺乳動物において、Rafファミリーキナーゼ(特にB−Raf)の阻害、またはErbBファミリーキナーゼ(特にErbB2)の阻害によって減弱した状態を治療する薬物を調製するための本発明化合物の使用も提供する。Rafファミリーキナーゼ(B−Rafを含む)の阻害、またはErbBファミリーキナーゼ(特にErbB2)の阻害により減弱した状態には、それだけには限らないが新生物が以下のものが含まれる。]
[0173] 従って、本発明化合物は、哺乳動物において、新生物、特に感受性新生物(癌または腫瘍)の治療に使用してよい。本発明は、それを必要とする哺乳動物で、新生物、特に感受性新生物の治療方法も提供し、その方法は、本発明化合物の治療有効量を哺乳動物に投与するステップを含む。本発明は、哺乳動物において、新生物、特に感受性新生物を治療する薬物を調製するための本発明化合物の使用も提供する。本明細書で使用する「感受性新生物」は、キナーゼ阻害薬による治療に対して感受性の高い新生物、およびRaf阻害薬もしくはErbB阻害薬による治療に対して感受性の高い特に新生物をさす。1種もしくは複数のRafファミリーキナーゼの不適切な活性と関連性を有してきた新生物、特に、Rafファミリーキナーゼの変異、Rafファミリーキナーゼの過剰発現、あるいは上流アクチベーターのRafファミリーキナーゼの変異、または上流アクチベーターのRafファミリーキナーゼの過剰発現を示し、従ってRaf阻害薬による治療に感受性が高い新生物は、当技術分野で公知であり、原発性および転移性腫瘍および癌を含む。Catalogue of Somatic Mutations in Cancer (COSMIC), the Wellcome Trust Sanger Institute, h ttp://www.sanger.ac.uk/genetics/CGP/cosmic/および背景に引用されたような参照文献を参照されたい。1種もしくは複数のErbBファミリーキナーゼの不適切な活性と関連性を有してきた新生物、特に、ErbBファミリーキナーゼの変異、ErbBファミリーキナーゼの過剰発現、あるいはErbBファミリーキナーゼの上流アクチベーターの変異、または上流アクチベーターのErbBファミリーキナーゼの過剰発現を示し、従ってErbB阻害薬による治療に感受性が高い新生物は、当技術分野で公知であり、原発性および転移性腫瘍および癌を含む。背景に引用された参照文献を参照されたい。]
[0174] 本発明の範囲内の感受性新生物の具体例には、それだけには限らないが、以下のものが含まれる:
バレット腺癌、
胆道癌、
膀胱癌
乳癌、
子宮頚癌、
胆管癌、
神経膠芽腫、星細胞腫(多形神経膠芽腫を含む)および上衣細胞腫などの原発性CNS腫瘍、ならびに二次的CNS腫瘍(すなわち、中枢神経系外側に生じた腫瘍の中枢神経系への転移)を含む中枢神経系腫瘍、
大腸癌を含む直腸結腸癌;
食道癌、
胃癌、
頭頸部の扁平上皮癌を含む頭頸部癌、
白血病およびリンパ腫、例えば、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群、慢性骨髄性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、巨核芽球白血病、多発性骨髄腫および赤白血病を含む血液癌、
肝細胞癌、
小細胞肺癌、非小細胞肺癌および扁平細胞肺癌を含む肺癌、
卵巣癌、子宮体癌、子宮頚癌、
膵癌、
下垂体腺腫、
前立腺癌、
腎臓癌、
肉腫、
黒色腫を含む皮膚癌、
甲状腺癌、および
子宮癌。]
[0175] 従って、一実施形態では、本発明は、それを必要とする哺乳動物で、バレット腺癌、胆道癌、膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、胆管癌;神経膠芽腫、星細胞腫(多形神経膠芽腫を含む)および上衣細胞腫などの原発性CNS腫瘍、ならびに二次的CNS腫瘍(すなわち、中枢神経系外側に生じた腫瘍の中枢神経系への転移)を含む中枢神経系腫瘍;大腸癌を含む直腸結腸癌;食道癌、胃癌;頭頸部の扁平上皮癌を含む頭頸部癌;白血病およびリンパ腫、例えば、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群、慢性骨髄性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、巨核芽球白血病、多発性骨髄腫および赤白血病を含む血液癌;肝細胞癌;小細胞肺癌、非小細胞肺癌および扁平細胞肺癌を含む肺癌;卵巣癌、子宮体癌、子宮頚癌、膵癌、下垂体腺腫、前立腺癌、腎臓癌、肉腫;黒色腫を含む皮膚癌;甲状腺癌、および子宮癌、または任意のそのサブセットを治療する方法であって、その哺乳動物に、本発明化合物の治療有効量を投与するステップを含む方法を提供する。]
[0176] 本発明は、それを必要とする哺乳動物で、バレット腺癌、胆道癌、膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、胆管癌;神経膠芽腫、星細胞腫(多形神経膠芽腫を含む)および上衣細胞腫などの原発性CNS腫瘍、ならびに二次的CNS腫瘍(すなわち、中枢神経系外側に生じた腫瘍の中枢神経系への転移)を含む中枢神経系腫瘍;大腸癌を含む直腸結腸癌;食道癌、胃癌;頭頸部の扁平上皮癌を含む頭頸部癌;白血病およびリンパ腫、例えば、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群、慢性骨髄性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、巨核芽球白血病、多発性骨髄腫および赤白血病を含む血液癌;肝細胞癌;小細胞肺癌、非小細胞肺癌および扁平細胞肺癌を含む肺癌;卵巣癌、子宮体癌、子宮頚癌、膵癌、下垂体腺腫、前立腺癌、腎臓癌、肉腫;黒色腫を含む皮膚癌;甲状腺癌、および子宮癌、または任意のそのサブセットの治療に使用される式(I)の化合物も提供する。]
[0177] 本発明は、さらに、それを必要とする哺乳動物で、バレット腺癌、胆道癌、膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、胆管癌;神経膠芽腫、星細胞腫(多形神経膠芽腫を含む)および上衣細胞腫などの原発性CNS腫瘍、ならびに二次的CNS腫瘍(すなわち、中枢神経系外側に生じた腫瘍の中枢神経系への転移)を含む中枢神経系腫瘍;大腸癌を含む直腸結腸癌;食道癌、胃癌;頭頸部の扁平上皮癌を含む頭頸部癌;白血病およびリンパ腫、例えば、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群、慢性骨髄性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、巨核芽球白血病、多発性骨髄腫および赤白血病を含む血液癌;肝細胞癌;小細胞肺癌、非小細胞肺癌および扁平細胞肺癌を含む肺癌;卵巣癌、子宮体癌、子宮頚癌、膵癌、下垂体腺腫、前立腺癌、腎臓癌、肉腫;黒色腫を含む皮膚癌;甲状腺癌、および子宮癌、または任意のそのサブセットを治療する薬物を調製するための式(I)の化合物の使用を提供する。]
[0178] 当技術分野で公知なように、腫瘍は、腫瘍の第一部位もしくは原発部位から1個もしくは複数の他の身体組織または部位へ転移しかねない。特に、中枢神経系への転移(すなわち、二次的CNS腫瘍)、特に脳への転移(すなわち脳転移)は、乳癌、肺癌、黒色腫、腎癌、および結腸直腸癌などの腫瘍および癌について十分に実証されている。本明細書で使用する限り、対象で「腫瘍」または「癌」を治療するための使用または方法と言う言葉には、原発性新生物、腫瘍または癌への使用および治療が含まれ、適切であれば、転移(すなわち転移性腫瘍増殖)への使用および治療も含まれる。]
[0179] 具体的一実施形態では、本発明は、それを必要とする哺乳動物で、哺乳動物に本発明化合物の治療有効量を投与するステップを含む乳癌の治療方法を提供する。具体的一実施形態では、本発明は、それを必要とする哺乳動物で、哺乳動物に本発明化合物の治療有効量を投与するステップを含む直腸結腸癌の治療方法を提供する。具体的一実施形態では、本発明は、それを必要とする哺乳動物で、哺乳動物に本発明化合物の治療有効量を投与するステップを含む黒色腫の治療方法を提供する。具体的一実施形態では、本発明は、それを必要とする哺乳動物で、哺乳動物に本発明化合物の治療有効量を投与するステップを含む非小細胞肺癌の治療方法を提供する。具体的一実施形態では、本発明は、それを必要とする哺乳動物で、哺乳動物に本発明化合物の治療有効量を投与するステップを含む卵巣癌の治療方法を提供する。具体的一実施形態では、本発明は、それを必要とする哺乳動物で、哺乳動物に本発明化合物の治療有効量を投与するステップを含む甲状腺癌の治療方法を提供する。]
[0180] 具体的一実施形態では、感受性新生物は乳癌であり、本発明は、哺乳動物において乳癌の治療に使用する化合物、および哺乳動物において乳癌を治療する薬物を調製するためのそのような化合物の使用を提供する。別の実施形態では、感受性新生物は直腸結腸癌であり、本発明は、哺乳動物において直腸結腸癌の治療に使用する化合物、および哺乳動物において直腸結腸癌を治療する薬物を調製するためのそのような化合物の使用を提供する。別の実施形態では、感受性新生物は黒色腫であり、本発明は、哺乳動物において黒色腫の治療に使用する化合物、および哺乳動物において黒色腫を治療する薬物を調製するためのそのような化合物の使用を提供する。別の実施形態では、感受性新生物は、非小細胞肺癌であり、本発明は、哺乳動物において非小細胞肺癌の治療に使用する化合物、および哺乳動物において非小細胞肺癌を治療する薬物を調製するためのそのような化合物の使用を提供する。別の実施形態では、感受性新生物は卵巣癌であり、本発明は、哺乳動物において卵巣癌の治療に使用する化合物、および哺乳動物において卵巣癌を治療する薬物を調製するためのそのような化合物の使用を提供する。別の実施形態では、感受性新生物は、甲状腺癌であり、本発明は、哺乳動物において甲状腺癌の治療に使用する化合物、および哺乳動物において甲状腺癌を治療する薬物を調製するためのそのような化合物の使用を提供する。]
[0181] 本発明化合物は、前記状態のそれぞれの治療に単独で使用することができ、またはある種の既存の化学療法、照射、生物薬または免疫療法薬(モノクローナル抗体を含む)およびワクチンに、付加的もしくは潜在的相乗効果を提供するために使用することができる。本発明化合物は、ある種の既存の化学療法および照射の有効性を回復するために、そしてある種の既存の化学療法および/または照射に対する感受性を高めるために使用しうる。]
[0182] 本明細書で使用する限り、「治療有効量」という用語は、それを投与する対象で、例えば、研究者または臨床医が求めている細胞培養、組織、系、哺乳動物(ヒトを含む)の生物学的もしくは医学応答を引き出すのに十分な本発明化合物の量を意味する。その用語は、本発明の範囲内で、正常な生理機能を高めるのに有効な量も含む。例えば、少なくとも一種のRafファミリーキナーゼまたは少なくとも一種のErbBファミリーキナーゼが介在する状態を治療するための本発明化合物の治療有効量は、対象で状態を治療するのに十分な量である。同様に、感受性新生物を治療するための本発明化合物の治療有効量は、対象で特定の感受性新生物を治療するのに十分な量である。本発明の一実施形態では、本発明化合物の治療有効量は、少なくとも一種のRafファミリーキナーゼまたは少なくとも一種のErbBファミリーキナーゼを調節、調整、結合または阻害するのに十分な量である。より具体的に、そのような実施形態では、本発明化合物の治療有効量は、B−Rafおよび/またはErbB2キナーゼを調節、調整、結合または阻害するのに十分な量である。]
[0183] 本発明の化合物の正確な治療有効量は、いくつかの要因に依存する。本化合物には固有の変数があり、それだけには限らないが、分子量、標的キナーゼでの阻害活性、吸収性、生物学的利用能、体内での分布、組織浸透性、半減期、代謝、タンパク質結合、および排泄が含まれる。十分な割合で、そして十分な時間腫瘍に所望の効果があるように、標的キナーゼを阻害するためには、どれだけの用量の化合物を投与する必要があるかは、これらの変数によって決定される。一般的に、目標は、可能な限り長時間50%以上の標的キナーゼを阻害することである。薬物曝露時間は、化合物の半減期、および投薬を中止する必要がある治療副作用のみによって制限される。投与する化合物の量は、それだけには限らないが、年齢、体重、併用医薬、および治療対象の健康状態、治療が必要な正確な状態およびその重症度、製剤の性質、および投与経路を含む、患者および疾患に関する要因にも依存する。最終的には、用量は、担当内科医または獣医の裁量に任せられる。。典型的には、本発明化合物は、治療のために、一日につきレシピエント(哺乳動物)体重あたり0.01〜30mg/kgの範囲、より一般的には一日につき0.1〜10mg/kg体重の範囲で与えられる。従って、少なくとも一種のRafファミリーキナーゼまたは少なくとも一種のErbBファミリーキナーゼが介在する状態を治療する70kgの成人に対しては、一日当たりの実際量は、通常1〜2000mgとなり、この量を一日につき一回または複数回用量で与えてよい。投薬計画は、大きく異なってよく、本化合物の臨床経験に基づき決定し変化されよう。投薬計画全般は、連続的投薬(一日用量で)から間欠的投薬の範囲で使用しうる。式(I)の化合物の製薬上許容される塩の治療有効量は、遊離塩基として式(I)の化合物の治療有効量の比率として決定してよい。類似の投薬量が、上記の感受性新生物の治療に適切であることが想定される。]
[0184] 治療での使用において、本発明の化合物の治療有効量を、原料化学物質として投与することが可能な場合、それは、通常、医薬組成物または製剤の活性成分として存在する。従って、本発明は、さらに、本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。その医薬組成物には、さらに、一種または複数の製薬上許容される担体、希釈剤、および/または賦形剤を含めてよい。担体、希釈剤および/または賦形剤は、製剤の他の成分と適合し、そのレシピエントにとって有害ではないという意味で、許容されるものでなければならない。本発明の別の態様によれば、本発明の化合物と、一種または複数の製薬上許容される担体、希釈剤および/または賦形剤とを混合するステップを含む医薬製剤の調製方法も提供される。]
[0185] 医薬製剤は、単位用量ごとに所定量の活性成分を含む単位用量形で提供しうる。そのような単位は、治療する状態、投与経路、および患者の年齢、体重、および状態に応じて、[遊離塩基、溶媒和物(水和物を含む)または塩として任意の形態で]本発明化合物を、例えば、0.5mg〜1g、好ましくは1mg〜700mg、より好ましくは5mg〜100mg含みうる。好ましい単位用量製剤は、一日用量、週用量、月用量、副用量、またはその好適な画分の活性成分を含むような単位用量製剤である。さらに、そのような医薬製剤は、当薬学技術分野で公知の方法のいずれかによって調製しうる。]
[0186] 医薬製剤は、任意の好適な経路、例えば、経口(カプセル、錠剤、液体充填カプセル、崩壊剤、即時放出、遅延放出および制御放出錠剤、経口条片、溶液、シロップ、頬口剤および舌下剤を含む)、経直腸、経鼻、吸息経路、局所経路(経皮を含む)、経膣または非経口経路(皮下、筋肉内、静脈内または皮内経路を含む)による投与に適応させることができる。そのような製剤は、当薬学技術分野で公知の任意の方法によって、例えば、活性成分と、担体、賦形剤または希釈剤とを組み合わせることによって調製しうる。一般的には、医薬製剤に使用する担体、賦形剤または希釈剤は、それらが本医薬組成物で送達される量において消費に安全とみなされることを意味する「無毒」であり、それがあまり反応せず、または活性成分の治療活性に対して望ましくない効果をもたらさないことを意味する「不活性」である。]
[0187] 経口投与に適応させた医薬製剤は、別個の単位、例えば、液体充填もしくは固体カプセル;即時放出、遅延放出または制御放出錠剤;粉末もしくは顆粒;水性もしくは非水性液体溶液もしくは懸濁液;食用泡もしくはホイップ;水中油滴型液体乳濁液、油中水滴型液体乳濁液または、含浸ゲル条片など経口条片として提供しうる。]
[0188] 例えば、錠剤またはカプセルの形での経口投与には、活性薬物成分は、経口の製薬上許容される担体、例えば、エタノール、グリセロール、水などと併用することができる。粉末は、好適な微細サイズに化合物を粉末化するステップ、および同様に粉末化した医薬用担体、例えば、澱粉またはマンニトールなどの食用炭水和物と混合するステップによって調製される。香味料、防腐剤、分散剤および着色料を存在させることができる。]
[0189] 固体カプセルは、上記混合粉と充填型ゼラチン鞘を準備することによって製造される。流動促進剤および滑沢剤、例えば、コロイド状シリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは固体ポリエチレングリコールを混合粉に加えた後、充填操作を行うことができる。カプセルを摂取する際に、崩壊剤または可溶化剤、例えば、寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムを加えて、医薬の利用能を改善することもできる。]
[0190] さらに、望ましい場合もしくは必要な場合には、好適な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤を混合物に組み込むこともできる。好適な結合剤には、澱粉、ゼラチン、グルコースもしくはβ−ラクトースなどの天然糖、コーン甘味料;天然もしくは合成ガム、例えば、アカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウム;カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが含まれる。これらの剤形で使用される滑沢剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤には、限定はしないが、澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが含まれる。錠剤は、例えば、混合粉を準備するステップ、造粒ステップもしくは打砕ステップ、滑沢剤および崩壊剤を加えるステップ、および打錠ステップによって製剤化する。混合粉は、適切に粉末化した本化合物と、上記希釈剤もしくはベースと、および任意で、結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、またはポリビニルピロリドン、溶解遅延剤、例えばパラフィン、再吸収促進剤、例えば四級塩および/または、吸収剤、例えばベントナイト、カオリンまたはリン酸二カルシウムとを混合することによって調製される。混合粉は、結合剤、例えば、シロップ、澱粉ペースト、アカディア粘液またはセルロース物質もしくはポリマー物質溶液によって湿潤化させるステップ、およびスクリーニングを通じて強制(forcing)するステップによって造粒することができる。造粒の代替法として、混合粉を打錠機にかけると、生成物は、顆粒に破砕された不完全形成された打砕物になる。顆粒は、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油を添加することによって、錠剤形成ダイに固定されないように潤滑化することができる。次いで、潤滑化させた混合物を錠剤に圧縮する。本発明の化合物は、造粒ステップまたは打砕ステップにかけることなく、直接、自由流動性不活性担体と混合し、錠剤に圧縮することもできる。封止セラックコート、糖もしくはポリマー物質コーティング、およびワックス光沢コーティングからなる、透明もしくは不透明な保護コーティングを提供することができる。これらのコーティングに色素を加え、様々な単位投薬量を識別することができる。]
[0191] 溶液、シロップおよびエリキシルなどの経口液体は、所所定量の化合物を含むように単位用量形で調製することができる。溶液およびシロップは、好適な香味水溶液に化合物を溶解することによって調製できる一方で、エリキシルは、製薬上許容されるアルコールビヒクルを用いて調製される。懸濁液は、製薬上許容されるビヒクルに化合物を分散させることによって製剤化することができる。溶解剤および乳化剤、例えば、エトキシル化したイソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテル、防腐剤、ペパーミント油などの矯味添加物、または天然甘味料、またはサッカリン、または他の人工甘味料などを加えることもできる。]
[0192] 適切であれば、経口投与用単位用量製剤はマイクロカプセル化することができる。その製剤は、放出が延長し、または維持されるように、例えば、ポリマー、ワックスなどで粒子材料をコーティングまたは包埋して調製することもできる。]
[0193] 本発明の化合物は、リポソーム送達系、例えば、小型単層膜小胞、大型単層膜小胞および多層膜小胞の形で投与することもできる。リポソームは、様々なリン脂質、例えば、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンから形成することができる。
本発明の化合物は、化合物分子を連結させる個々の担体としてのモノクローナル抗体を使用することによっても送達しうる。化合物は、標的となり得る薬物担体として溶解性ポリマーに連結することもできる。そのようなポリマーには、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピル−メタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換したポリエチレンオキシド−ポリリジンを含めてよい。さらに、化合物は、薬物の制御放出を可能にするのに有用な生分解性ポリマークラス、例えば、ポリセントル酸(polycentric acid)、ポルエプシロン(polepsilon)カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリル酸塩、およびヒドロゲルの架橋もしくは両親媒性ブロックコポリマーと連結することもできる。]
权利要求:

請求項1
式(I)の化合物または製薬上許容されるその塩。〔式中、Yは、i、ii、およびiiiから選択される部分であり、[式中、aは、0、1、2もしくは3であり、各R1は、同一かもしくは異なり、かつハロ、アルキル、ハロアルキル、−OR6、−R5−OR6、−C(O)R6、−CO2R6、−S(O)fR6、−R5−S(O)fR6、−NR6R7、−R5−NR6R7、−CNおよび−R5−CNから独立して選択され、fは、0、1もしくは2であり、Q1は、−CH2−または−SO2−であり、環A1は、シクロアルキル、フェニル、あるいはN、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有する5〜10員のヘテロアリールであり、bは、0もしくは1であり、W1は、OまたはSであり、Q2は、結合または−N(H)−である]cは、0、1もしくは2であり、各R2は、同一かもしくは異なり、かつハロ、アルキル、ハロアルキル、−OR6、−S(O)fR6、−NR6R7、−CNおよび−NO2から独立して選択され、Wは、−O−または−S−であり、R3は、H、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、シクロアルキル、−R5−シクロアルキル、Ph、Het、−R5−OR6、−R5−S(O)fR6、−R5−S(O)2−NR6R7、−NR6R7、−N(R6)−シクロアルキル、−N(R6)Ph、−N(R6)Het、−N(R6)R5−Het、−N(R6)−R5−OR7、−N(R6)−R5−NR6R7、−N(H)C(O)R6、−R5−N(H)C(O)R6、−N(R6)−C(O)−NR6R7、−N(H)SO2R6、−N(R6)−R5−S(O)fR7、および−N(R6)−S(O)2−NR6R7から選択され、[その場合、同一かもしくは異なり、かつハロ、C1−3アルキル、ハロアルキル、OH、O−C1−3アルキル、オキソ、S(C1−3アルキル)、SO2、NH2、N(H)C1−3アルキル、およびN(C1−3アルキル)2からそれぞれ独立して選択した1もしくは2個の置換基によって、前記シクロアルキルのそれぞれは任意に置換されている]dは、0、1もしくは2であり、各R4は、同一かもしくは異なり、かつハロ、アルキル、ハロアルキル、−OR6、−S(O)fR6、−NR6R7、−CNおよび−NO2から独立して選択され、各Phは、同一かもしくは異なり、かつ1、2もしくは3個の置換基によって任意に置換されている独立したフェニルであるが、該置換基は、同一かもしくは異なり、かつハロ、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、O−C1−3アルキル、C1−3アルキレン−O−C1−3アルキル、OH、C1−3アルキレン−OH、NH2、N(H)C1−3アルキル、N(C1−3アルキル)2、CNおよびNO2からそれぞれ独立して選択され、各Hetは、同一かもしくは異なり、かつ4〜6員の複素環から独立して選択され、該複素環は、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有し、かつ1、2もしくは3個の置換基によって任意に置換されており、該置換基は、同一かもしくは異なり、かつハロ、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、O−C1−3アルキル、C1−3アルキレン−O−C1−3アルキル、OH、C1−3アルキレン−OH、オキソ、C(O)(C1−3アルキル)、C(O)NH2、C(O)N(C1−3アルキル)2、SO3(H)、SO2(C1−3アルキル)、C1−3アルキレン−SO3(H)、C1−3アルキレン−SO2(C1−3アルキル)、NH2、N(H)C1−3アルキル、N(C1−3アルキル)2、CN、−CH2CN、およびNO2からそれぞれ独立して選択され、各R5は、同一かもしくは異なり、かつ独立してC1−4アルキレンであり、環Bは、フェニル、9〜10員のアリール、5〜6員のヘテロアリール、および9〜10員のヘテロアリールから選択され、各ヘテロアリールは、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1、2もしくは3個有し、[その場合、環Bが、フェニルおよび5〜6員のヘテロアリールから選択された場合、eは0、1、2もしくは3であり、そして各Zは、同一かもしくは異なり、かつハロ、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、Het2、−R5Het2、Het3−Het2、オキソ、−OR6、−R5−OR6、−O−R5−OR6、−OHet2、−O−R5−Het2、−O−R5−NR6R7、−O−R5−S(O)2R6、−C(O)NR6R7、−R5−C(O)NR6R7、−CO2R6、−R5−CO2R6、−S(O)fR6、−R5−S(O)2R6、−S(O)fHet2、−R5−S(O)2Het2、−S(O)2NR6R7、−R5−S(O)2NR6R7、−S(O)2−R5−NR6R7、−NR6R7、−R5−NR6R7、−N(R6)Het2、−N(R6)−R5シクロアルキル、−N(R6)−R5−Het2、−N(R6)−R5−OR7、−N(R6)−R5−S(O)fR7、−N(R6)−R5−CN、−N(R6)−R5−NR6R7、−N(H)S(O)2R6、−N(R6)−C(O)−NR6R7、−N(R6)−S(O)2−NR6R7、−CN、−R5−CNおよび−NO2から独立して選択され、そして環Bが、9〜10員のアリールまたは9〜10員のヘテロアリールである場合、eは0、1もしくは2であり、各Zは、同一かもしくは異なり、かつハロ、アルキル、オキソ、−OR6および−NR6R7から独立して選択されている]各Het2は、同一かもしくは異なり、かつ独立して複素環またはヘテロアリールであり、該複素環またはヘテロアリールは、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有し、かつそれぞれ1、2もしくは3個の置換基によって任意に置換されており、該置換基は、同一かもしくは異なり、かつハロ、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、O−C1−3アルキル、C1−3アルキレン−O−C1−3アルキル、OH、C1−3アルキレン−OH、オキソ、C(O)(C1−3アルキル)、C(O)2−C1−3アルキル、C(O)−(C1−3アルキレン)−O(C1−3アルキル)、C(O)2−ベンジル、SO3H、SO2(C1−3アルキル)、C1−3アルキレン−SO3H、C1−3アルキレン−SO2(C1−3アルキル)、NH2、N(H)C1−3アルキル、N(C1−3アルキル)2、CNおよびC1−3アルキレン−CNからそれぞれ独立して選択され、Het3は、4〜7員の複素環および5〜7員のヘテロアリールから選択され、該複素環またはヘテロアリールは、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有し、かつ1もしくは2個の追加の置換基によって任意に置換されており、該置換基は、同一かもしくは異なり、かつハロ、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、およびO−C1−3アルキルからそれぞれ独立して選択され、各R6および各R7は、同一かもしくは異なり、かつ独立してH、アルキルまたはハロアルキルである〕
請求項2
Yが部分iである、請求項1に記載の化合物。
請求項3
式(I)の化合物が、式(I−i−a)または(I−i−b)の化合物である、請求項1または2に記載の化合物。
請求項4
aが、0、1もしくは2である、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
請求項5
各R1が、同一かもしくは異なり、ハロ、アルキル、ハロアルキル、−OR6、−NR6R7、−CNおよびR5−CNから独立して選択されている、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
請求項6
Yが、部分iiである、請求項1に記載の化合物。
請求項7
式(I)の化合物が、式(I−ii−a)、(I−ii−b)、(I−ii−c)、または(I−ii−d)の化合物である、請求項1または6に記載の化合物。
請求項8
aが、0または2である、請求項1および6〜7のいずれかに記載の化合物。
請求項9
各R1が、同一かもしくは異なり、ハロ、アルキル、ハロアルキル、−OR6、−NR6R7、−CNおよびR5−CNから独立して選択されている、請求項1および6〜8のいずれかに記載の化合物。
請求項10
環A1が、シクロアルキル、フェニル、ならびにN、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有する5〜6員のヘテロアリールである、請求項1および6〜9のいずれかに記載の化合物。
請求項11
環A1がフェニルである、請求項1および6〜10のいずれかに記載の化合物。
請求項12
式(I)の化合物が、式(I−ii−1)の化合物である、請求項1および6〜11のいずれかに記載の化合物。
請求項13
Yが部分iiiである、請求項1に記載の化合物。
請求項14
式(I)の化合物が、式(I−iii−a)、(I−iii−b)、(I−iii−c)および(I−iii−d)の化合物である、請求項1または13に記載の化合物。
請求項15
aが、0または2である、請求項1および13〜14のいずれかに記載の化合物。
請求項16
各R1が、同一かもしくは異なり、ハロ、アルキル、ハロアルキル、−OR6、−NR6R7、−CNおよびR5−CNから独立して選択されている、請求項1および13〜15のいずれかに記載の化合物。
請求項17
cが、0もしくは1である、請求項1〜16のいずれかに記載の化合物。
請求項18
各R2が、同一かもしくは異なり、ハロ、アルキル、−OR6、−NR6R7および−CNから独立して選択されている、請求項1〜17のいずれかに記載の化合物。
請求項19
WがSである、請求項1〜18のいずれかに記載の化合物。
請求項20
R3が、H、アルキル、ハロアルキル、Ph、Het、−R5−OR6、−R5−S(O)fR6、−R5−S(O)2−NR6R7、−NR6R7、−N(R6)シクロアルキル、−N(R6)Het、−N(R6)R5−Het、−N(R6)−R5−OR7、−N(R6)−R5−NR6R7、−N(H)C(O)R6、−N(H)SO2R6、および−N(R6)−R5−S(O)fR7から選択される、請求項1〜19のいずれかに記載の化合物。
請求項21
R3が、−NR6R7、−N(R6)シクロアルキル、または−N(R6)Hetである、請求項1〜20のいずれかに記載の化合物。
請求項22
dが、0もしくは1である、請求項1〜21のいずれかに記載の化合物。
請求項23
各R4が、同一かもしくは異なり、ハロ、アルキル、−OR6、−NR6R7および−CNから独立して選択されている、請求項1〜22のいずれかに記載の化合物。
請求項24
dが0である、請求項1〜22のいずれかに記載の化合物。
請求項25
環Bが、フェニル、あるいはN、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有する5〜6員のヘテロアリールである、請求項1〜24のいずれかに記載の化合物。
請求項26
環Bがフェニルである、請求項1〜25のいずれかに記載の化合物。
請求項27
環Bがフェニルであり、かつeが1もしくは2であり、または環Bが1、2もしくは3個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリールであり、かつeが1である、請求項1〜26のいずれかに記載の化合物。
請求項28
環Bが、フェニルまたは1、2もしくは3個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリールであり、eが1もしくは2であり、かつ各Zが、同一かもしくは異なり、ハロ、アルキル、ハロアルキル、Het2、−R5Het2、Het3−Het2、オキソ、−OR6、−R5−OR6、−O−R5−OR6、−OHet2、−O−R5−Het2、−O−R5−NR6R7、−S(O)fR6、−R5−S(O)2R6、−R5−S(O)2Het2、−S(O)2NR6R7、−R5−S(O)2NR6R7、−NR6R7、−R5−NR6R7、−N(R6)Het2、−N(R6)−R5−OR7、−N(R6)−R5−S(O)fR7、−N(R6)−R5−NR6R7、−CN、および−R5−CN、(式中、Het2およびHet3は、それぞれ独立して任意に置換されている)から独立して選択されている、請求項1〜27のいずれかに記載の化合物。
請求項29
環Bが、フェニル、または1、2もしくは3個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリールであり、eが1もしくは2であり、かつ少なくとも一個のZがメタ位にあり、かつハロである、請求項1〜28のいずれかに記載の化合物。
請求項30
環Bが、フェニル、または1、2もしくは3個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリールであり、eが1もしくは2であり、かつ各Zが、同一かもしくは異なり、ハロ、アルキル、Het2、−R5−Het2、Het3−Het2、オキソ、−OR6、−OHet2、−O−R5−Het2および−O−R5−NR6R7(式中、Het2およびHet3は任意に置換されている)から独立して選択されている、請求項1〜30のいずれかに記載の化合物。
請求項31
環Bが、N、OおよびSから選択したヘテロ原子を1もしくは2個有する9〜10員のヘテロアリールである、請求項1〜24のいずれかに記載の化合物。
請求項32
環Bが、二環式縮合9〜10員のアリールまたはヘテロアリールであり、eが0もしくは1であり、かつZが、ハロ、C1−3アルキル、オキソまたは−OC1−3アルキルである、請求項1〜24および31のいずれかに記載の化合物。
請求項33
以下のものから選択される化合物および製薬上許容されるその塩:N−{3−[2−アミノ−5−(2−{[3−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−4−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}−4−ピリミジニル)−1,3−チアゾール−4−イル]フェニル}−2,6−ジフルオロ−N−メチルベンズアミド、N−(3−{2−アミノ−5−[2−({3−クロロ−4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]−フェニル}アミノ)ピリミジン−4−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}フェニル)−2,6−ジフルオロベンズアミド−ギ酸N−[3−(2−アミノ−5−{2−[(3,4,5−トリメトキシフェニル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、N−[3−(2−(ジメチルアミノ)−5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、2,6−ジフルオロ−N−{3−[5−(2−{[4−(メチルオキシ)−3−(4−メチル−1−ピペラジニル)フェニル]アミノ}−4−ピリミジニル)−1,3−チアゾール−4−イル]フェニル}ベンズアミド、N−[3−(5−{2−[(4−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]オキシ}−3−フルオロフェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド、およびN−[3−(5−{2−[(3−クロロ−4−{[2−(1−ピロリジニル)エチル]オキシ}フェニル)アミノ]−4−ピリミジニル}−2−エチル−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンズアミド。
請求項34
請求項1〜33のいずれかに記載の化合物、ならびに製薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物。
請求項35
さらに、化学療法剤を含む、請求項34に記載の医薬組成物。
請求項36
それを必要とする哺乳動物で、感受性新生物の治療方法であって、請求項1〜33のいずれかに記載の化合物の治療有効量を哺乳動物に投与するステップを含む方法。
請求項37
前記感受性新生物が、バレット腺癌、胆道癌、膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、胆管癌;原発性CNS腫瘍および二次的CNS腫瘍を含む中枢神経系腫瘍;直腸結腸癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌;白血病およびリンパ腫を含む血液癌;肝細胞癌;小細胞肺癌、非小細胞肺癌および扁平細胞肺癌を含む肺癌;卵巣癌、子宮体癌、子宮頚癌、膵癌、下垂体腺腫、前立腺癌、腎臓癌、肉腫;黒色腫を含む皮膚癌;甲状腺癌、および子宮癌から選択される、請求項36に記載の方法。
請求項38
前記感受性新生物が、乳癌、直腸結腸癌、黒色腫、非小細胞肺癌、卵巣癌、および甲状腺癌から選択される、請求項36に記載の方法。
請求項39
請求項1〜33のいずれかに記載の化合物を調製する方法であって、全ての変数が請求項1に定義した通りであり、式(VIII)、(VIII−A)、(VIII−B)または(XXVI)の化合物と、[式中、R10は、ハロまたはチオメチルであり、式(VIII)のYは、部分iiまたは部分iiiであり、その際Q2は−N(H)−であり、Y2は、−C(O)NH、−CH2−C(O)NH−、または−N(H)C(O)N(H)−であり、環A2は、フェニルまたは環A1であり、かつ他の変数は全て、請求項1に定義した通りである]式(IX)のアニリン:とを反応させて、式(I)の化合物を調製するステップを含む方法。
請求項40
請求項1および6〜33のいずれかに記載の化合物(式中、Yは部分iiまたは部分iiiであり、その際Q2は−N(H)−であり、かつ他の変数は全て、請求項1に定義した通りである)調製する方法であって、式(XIV)の化合物と式(VII−A)の化合物(式中、環A2は、フェニルまたは環A1であり、LGは好適な脱離基である)または式(VII−B)の化合物とを反応させて、式(I)の化合物を調製するステップを含む方法。
請求項41
請求項1および6〜33のいずれかに記載の化合物を調製する方法であって、式(XXXI)の化合物と、好適なブロム化剤とを反応させ、続いてi)チオ尿素、ii)ホルムアミド、iii)アミド、iv)チオアミド、またはv)尿素、の1つと反応させて、式(I)の化合物を調製するステップを含む方法。
請求項42
治療に使用するための請求項1〜33のいずれかに記載の化合物。
請求項43
哺乳動物(例えばヒト)において、感受性新生物(例えば、バレット腺癌、胆道癌、膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、胆管癌;原発性CNS腫瘍および二次的CNS腫瘍を含む中枢神経系腫瘍;直腸結腸癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌;白血病およびリンパ腫を含む血液癌;肝細胞癌;小細胞肺癌、非小細胞肺癌および扁平細胞肺癌を含む肺癌;卵巣癌、子宮体癌、子宮頚癌、膵癌、下垂体腺腫、前立腺癌、腎臓癌、肉腫;黒色腫を含む皮膚癌;甲状腺癌、および子宮癌)の治療に使用する、請求項1〜33のいずれかに記載の化合物。
請求項44
それを必要とする哺乳動物(例えばヒト)で、感受性新生物(例えば、バレット腺癌、胆道癌、膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、胆管癌;原発性CNS腫瘍および二次的CNS腫瘍を含む中枢神経系腫瘍;直腸結腸癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌;白血病およびリンパ腫を含む血液癌;肝細胞癌;小細胞肺癌、非小細胞肺癌および扁平細胞肺癌を含む肺癌;卵巣癌、子宮体癌、子宮頚癌、膵癌、下垂体腺腫、前立腺癌、腎臓癌、肉腫;黒色腫を含む皮膚癌;甲状腺癌、および子宮癌)を治療する薬物を調製するための請求項1〜33のいずれかに記載の化合物の使用。
請求項45
それを必要とする哺乳動物(例えばヒト)で、感受性新生物(例えば、バレット腺癌、胆道癌、膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、胆管癌;原発性CNS腫瘍および二次的CNS腫瘍を含む中枢神経系腫瘍;直腸結腸癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌;白血病およびリンパ腫を含む血液癌;肝細胞癌;小細胞肺癌、非小細胞肺癌および扁平細胞肺癌を含む肺癌;卵巣癌、子宮体癌、子宮頚癌、膵癌、下垂体腺腫、前立腺癌、腎臓癌、肉腫;黒色腫を含む皮膚癌;甲状腺癌、および子宮癌)の治療に使用する請求項1〜33のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物。
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同族专利:
公开号 | 公开日
EP2231625A1|2010-09-29|
WO2009076140A1|2009-06-18|
EP2231625A4|2010-12-29|
US20110098296A1|2011-04-28|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2011-11-05| A621| Written request for application examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111104 |
2012-06-29| A761| Written withdrawal of application|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20120628 |
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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